就活を始めるにあたって、やっておいた方が良いと言われる「自己分析」。何故やっておいた方が良いのか、なんとなくは理解できているけど、明確に説明できる人はどれぐらいいるでしょうか。
この記事では、就活における自己分析の目的からメリット、やり方、活用方法、注意点について解説していきます。
自己分析についての理解を深め、あなたの就活にぜひ役立ててください。
就活における自己分析の目的は2つ
就活における自己分析の目的は、大きく分けて2つ。それは、「企業選びの軸」と「自己PR・志望動機」を作るためです。以下で具体的に解説していきます。
目的①:企業選びの軸を作る
みなさんの就活のゴールは何でしょうか?一言で表せば、「良い会社に就職すること」と言えるかもしれません。
では、「良い会社」とは何でしょうか?
「お金が稼げる会社」「スキルが活かせる会社」「成長が実感できる会社」「好きなことに関われる会社」「いろんなことに挑戦できる会社」など、人によって意見が分かれそうです。
自分にとって「就職したい良い会社」が既に明確になっている人もいれば、悩んでいる人もいるでしょう。これから就活を始める学生は、どちらかと言えば、悩む人が多いのではないでしょうか。
そこで重要になってくるのが自己分析です。自己分析によって自己理解を深め、自分には何が合っているのか、何をやりたいのか、を明確にし、企業選びの軸を作り上げていきます。
目的②:自己PR・志望動機を作る
「就職したい良い会社」が明確になっても、その会社に就職できるわけではありません。就職するには、選考によって他の就活生と比較され、選ばれる必要があります。
会社から選ばれるには、その会社にとって自分が、如何に魅力的かを売り込む必要があります。そのためには、他の就活生よりも、魅力的でオリジナリティのある自己PRと志望動機を作る必要があります。
自己PRは「自分の強み」「経験」「スキル」を、志望動機ではその企業に対する「想い」を伝えることになります。いずれも自分自身のことなのでなんとなくは分かると思うのですが、いざ人に説明しようとすると案外難しいものです。
何故それが強みと言えるのか、その経験から何を学んだか、スキルがどのように役立つのか、その想いに至った背景は何か、それらを相手に分かりやすく伝え、自身をアピールするために必要になるのが自己分析です。
過去から現在の自分を客観的に振り返り、「自分の強み」「経験」「スキル」「想い」を「なんとなく自分自身で理解できている」状態から「分かりやすく言語化できる」状態に作り上げていきます。
自己分析はいつからやるべきか
自己分析はいつからやるべきでしょうか。
就職活動が本格化するのが大学3年生の3月以降なので、それまでに自分の企業選びの軸を確立しておくとなると、それ以前に自己分析を始めるのが良いでしょう。
早くから自分の強みや弱みを把握することで、エントリーシートや面接に向けた準備がスムーズにでき、質の高いアピールが可能になります。その結果、就活の軸が早期に定まるため、効率的な活動が実現できます。時間を味方につけて、計画的に行動することが重要です。
自己分析で得られるメリット
自己分析をすると、具体的に、どのような点でメリットを享受できるのでしょうか。
まず、もっとも大きいのは、回答が具体的で明確になるということです。
就活生の多くが、自己分析をおろそかにしているために、面接などで、志望動機や自己PRを求められても、ありきたりで抽象的な発言しかできません。事前にマニュアル本などで対策しても、企業の採用担当者は多くの就活生と話をしていますので、高い確率で見透かされてしまいます。
就活においてもっとも怖いのは、その他大勢になってしまうことです。ありきたりで抽象的な回答しかできないと、企業の採用担当者の印象に残らず、その他大勢という扱いになってしまいます。
しかし、自己分析がしっかりできている場合には、自分のアピールすべきポイントが分かっていますし、他人とは被らない、オリジナリティのあふれる回答ができます。このような発言できれば、採用担当者の印象にも深く残り、内定をもらえる大きな足掛かりになるはずです。
また自己分析をしっかり行うことで、自分が受けるべき企業を間違えるリスクが低くなる、というのも大きなポイントです。自己分析ができていないと、どのような企業で自分は活躍できるのか見えてきませんので、入社してから初めて『自分には合わない仕事だ』と感じることになりかねません。
自己分析の簡単な5つのやり方
ここでは、就活初心者でも取り組みやすい自己分析の簡単なやり方をご紹介します。
マインドマップで考えを広げる
マインドマップは、中心にテーマを置き、そこから枝葉を広げるように関連するアイデアや考えを整理する方法です。自己分析の際に、自分の興味や特技、過去の経験などをマインドマップに描き出すことで、新しい発見があります。特に、自分でも気づかなかった一面に気づくことができるのが大きなメリットです。
ジョハリの窓で客観的視点を持つ
ジョハリの窓は、自分自身を客観的に理解するためのツールです。自己認識の四象限(開放、自覚(秘密)、盲点、不明(未知))を活用し、他人からのフィードバックを得ることで、より客観的な視点を持つことができます。この手法は、特に就活で求められる自己PRの準備に役立ちます。
モチベーショングラフで過去を振り返る
モチベーショングラフは、過去の経験を振り返り、自分がどのような状況でモチベーションが高かったか、低かったかを視覚的に理解する方法です。このグラフを作成することで、自分の志向性や価値観を把握することができ、それをもとに今後のキャリアの目的を明確にする手助けとなります。
SWOT分析で戦略を練る
SWOT分析は、自分の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理する手法です。これにより、自分の特性を総合的に理解し、どのように就活やキャリア形成に活かすかといった戦略を練ることができます。
SWOT分析は、他のフレームワークで見出した自身の強みなどを整理し、企業選びの軸作りや就職活動の方針を作るのに向いています。
自己分析ノートで思考を整理
自己分析ノートは、日々の思考や気づきを記録するためのノートです。定期的に書き出すことで、自分の考え方の傾向や、将来に向けての課題を明らかにすることができます。特に、就活準備の一環として、過去の自身の行動や決断を振り返るのに役立ちます。
自己分析の活用方法
自己PRで自分をアピールする
自己PRは、自分の強みや特性を相手に伝え、選考での印象を良くするための重要な手段です。自己分析を通じて得た自身の特性や、過去の経験から見出した強みを基にして、具体的なエピソードを用いて自分をアピールすることが大切です。
自己分析の簡単なやり方として、マインドマップやジョハリの窓などのツールを使用し、自己理解を深めましょう。これにより、自己PRにおいて自分の魅力を的確に伝えることができます。
また、自己分析の結果を基にした自己PRは、企業にとっても信頼性が高く、評価されやすい内容となるでしょう。適切な準備と自己理解は、就活でも効果的にアピールする手助けとなります。
明確な志望動機を作る
自己分析を活用することで、明確な志望動機を作ることが可能です。志望動機は単なる「なぜその企業を選んだのか」という問いへの答えだけでなく、自分自身の価値観やビジョンを企業に伝える大切な要素です。
自己分析の過程で自身の価値観や強み、経験を整理することで、企業が求めている人物像と自分の志向性との一致を見つけやすくなります。このようにして得られた情報は、就職活動や転職活動において、具体的かつ説得力のある志望動機として結実します。
自己分析の目的を活かし、志望動機を通じて自分と企業のマッチングを図りましょう。
自己分析の注意点
自己分析は就活において非常に重要な役割を果たしますが、その進め方には注意が必要です。
まず、自己分析を過剰に行うことは避けるべきです。深く掘り下げすぎると、本来の目的を見失い、自分を過度に批判してしまうことがあります。自己分析のフレームワークを利用し、有意義な自己理解を深めることが大切です。
また、主観的な視点だけでなく、客観的な視点も取り入れることが重要です。自分の長所や強みを思い込みで決めるのではなく、他者からのフィードバックを活用し、ジョハリの窓のようなツールを使って自分を客観的に見る努力をしましょう。これにより、自己分析の結果が一面的な視点に偏ることを避けることができます。
さらに、自己分析の結果に過度に依存することも避けるべきです。自己分析は自身の理解を深めるための一手段であり、キャリアを築くためのすべてではありません。結果をもとにアクションプランを立て、具体的な行動に移すことが重要です。これにより、理想的な職場環境や得意分野を明確にし、仕事選びの基準を確立することができます。
最後に、ネガティブな側面も考慮し、自己理解を広げることを忘れないでください。自己分析は自分の強みを見つけるだけでなく、弱みも理解する機会です。この情報を活用して、より良い自分への成長を目指しましょう。
まとめ:自己分析で可能性を広げる
自己分析は、自分の価値観や強みを理解し、将来のキャリア形成や就活において重要な武器となります。就職活動に向けて自己分析を行うことで、自己PRや志望動機をより具体的で説得力のある内容に仕上げることが可能になります。また、自己分析は自分の過去の経験を振り返るだけではなく、今後の希望や目標を明確にするための指針ともなります。
簡単な自己分析のやり方を実践することで、初心者でも手軽に取り組むことができます。例えば、マインドマップで考えを広げたり、ジョハリの窓を用いて客観的な視点を持つことは、自分の理解を深める助けとなります。さらに、SWOT分析やモチベーショングラフを用いることで、自分の強みや弱みを具体的に把握し、戦略的にキャリアを築くことができるでしょう。
自己分析は単なる就活のためのプロセスにとどまらず、自己成長を促進し、様々な状況で適切な判断を下せる能力を育む機会でもあります。適切なタイミングで自己分析を開始し、就職活動が本格化する前にしっかりと準備しておくことで、自分にぴったりの職場環境や仕事を見つける手助けとなるでしょう。