自己分析


自己分析で将来が大きく変わる!? 正しい方法で就活を有利に進めよう!

就職活動で重要とされる自己分析。
重要とはいわれていても、実際にしっかりと行っている人はどれくらいいるのでしょうか。
自己分析をとりあえずで終わらせてしまっている人は自分の可能性を狭めてしまっているかもしれません。

自己分析とは


自己分析とは、自分の長所や短所を中心とした特徴を見つけ出す事です。
自分自身を見つめなおし、自分にはどういった特徴があるのかを考える事によって就職活動に必要な強みを見つけ出す事ができます。

就活のために行う自己分析の場合、自己分析を自分の強みを見つける事と同義であると考えている人が多いですが、実際には似ているようでこのふたつは異なります。
自己分析は強みを見つける作業ではなく、あくまでもその前段階のステップである事を意識しましょう。
まず自己分析を行い、その分析結果に基づいて自分の強みやアピールポイントを見つけていきます。これを初めから強みやアピールポイントを見つけようとしてしまうと、偏ったものの見方になってしまい正確な自己分析をする事ができません。

自己分析をするときには必ず冷静に自分を客観視しなければなりません。自分を客観視するのはそう簡単な事ではありませんが、それを手助けするものとして診断やフレームワークを活用するようにするといいでしょう。

自己分析の意味


自己分析をすると具体的にどのような点でメリットを享受する事ができるのでしょうか。

まず、もっとも大きいのは回答が具体的で明確になるという事です。
就活生の多くがこの自己分析をおろそかにしてしまっているために、面接などで志望動機や自己PRを求められてもありきたりで抽象的な発言しかできません。事前にマニュアル本などで対策をしていたとしても、企業の採用担当者は無数の就活生と話をしてきていますので必ず見透かされてしまいます。就活においてもっとも怖いのはその他大勢になってしまう事。ありきたりで抽象的な回答しかできないと、企業の採用担当者の印象に残らずその他大勢という扱いになってしまうのです。
しかし自己分析がしっかりできている場合には自分のアピールすべきポイントがしっかりと分かっていますし、他人とは被らないオリジナリティのあふれる回答をする事ができます。このような発言をする事ができれば採用担当者の印象にも深く残り、内定をもらえる大きな足掛かりになるはずです。

また自己分析をしっかりする事で自分が受けるべき企業を間違えるリスクが低くなるというのも大きなポイントです。
自己分析ができていないとどのような企業で自分は活躍できるのかが見えてきませんので、入社してから初めて『自分には合わない仕事だ』と感じる事になりかねません。

自己分析の必要性


自己分析は自分の強みを客観的に見極めるために行うものですが、これができていない場合どうなるでしょうか。
自己分析をしなかった場合、自分自身の強みや特徴などが分かっていないという事になります。
この場合、就職活動の面接などで頻繁に行われている自己PRがはたしてできるでしょうか。自己PRというのは自分の強みや長所となる部分を企業側に売り込むアピールの場です。自分についてよく知らないにも関わらず、自分を売り込む事はできません。
例えるなら、強みや他社製品との違いが何も分かっていない状態の商品をお客さんに売り込むのと同じことです。売り込むものについて何の知識ももたずに営業をする営業マンはいません。もしいたとしても結果は目に見えているでしょう。就職活動でもまったく同じことです。就活においては自分は商品であり、その自分という商品を企業側に売り込むのです。

そのためには、まず自分自身について詳しく知っておく必要がありますし、他の就活生との違いや差別化できる部分をしっかりと認識しておかなければなりません。

人事が自己分析を求める理由


多くの企業では自己分析をする事が推奨されていますが、これは一体なぜなのでしょうか。

その理由を考えればさまざまなものが出てきますが、そもそも自分自身を分析する能力がある人を見極めたいからという理由が大きいといわれています。
自分自身を分析する能力がある人というのは仕事のうえにおいても、何か大きな課題や問題に突き当たったとき、効果的な解決策を導ける人材である可能性が高いのです。
逆に自己分析ができない場合には、問題に直面しても自分がどういった状況におかれているかが分かっていないため、有効な解決策を導く事ができません。
学生時代と違って、会社に就職し、社会に出ると明確な答えがない事ばかりです。人によっていう事が違ったり、立場を変えてみればまったく別の答えが出てくる事も頻繁にあります。そのような複雑な状況に対して適切な答えを出し、乗り越えていける力があるのか?という点は採用を決めるうえでも非常に大きなポイントになっているはずです。

また、自己分析をする事で将来像が明確になるという点も大きいといわれています。
自分の将来像がしっかりと見えているという事は、自主的に仕事をこなし、キャリアアップを目指していく人材である可能性が高いです。そんな前向きで意欲的な人材を取りたいという会社は多いはずです。

企業が知りたい事

企業の採用担当者や面接官が知りたい事は、言うまでもなく『入社後にどれだけ活躍してくれるのか』という事です。企業側としても多額の人件費を掛けて1人の人材を確保するわけですから、入社後に最大のパフォーマンスを発揮してくれる人を選びたいと思っています。
企業の採用担当者にとって就活生は何も知らないただの学生です。そんな学生をどうにかして分析しようとするわけです。しかし、実際には数多くの就活生と話をしてきている面接官であっても数回話をしたくらいでは、その人がどのような人なのか?という事を正確に分析する事はできません。
そんなときでも、自分で自分のことを語ってもらう事で短時間の間に自己分析能力とその人の強みが同時に分かるため、非常に効率がいいのです。

企業の採用担当者が知りたい事というのは極論をいってしまうと非常にシンプルで、たった2つしかないといわれています。
それは『どんな人間なのか?』という事と、『どれくらい会社に貢献できるのか?』という事です。
このふたつは非常にシンプルですが、この目的を見失ってしまっている就活生は多く見受けられます。

企業が知りたい事

正しい自己分析の仕方

正しい自己分析を行うためには、まず自己分析の目的をはっきりとさせなければなりません。
ここまで見てきたように、企業は今後会社の中でのような活躍をしてくれるのか?といった事を知りたがっていますので、それを具体的にイメージさせるような自己分析ができれば上手くいきそうです。自己分析の目的は?と聞かれて『自分を知る事』などというような抽象的な答えではなく、『企業が知りたい事を明確にする事』という答えができる事が理想的ですね。そして、目的がしっかりとしたら実際に自分と向き合う事を始めましょう。このとき、あらかじめ自分自身についてまだ何も分かっていないという事を受け入れてから始めてください。すでに自分自身を熟知していると思い込んでしまうと、正確な自己分析をする事ができなくなってしまいます。

また、自分自身を知る事はときには痛みを伴う事です。そのため、ある程度のショックは覚悟しておく事が大切です。『今まで見てこなかったけどよく考えてみると大してアピールできるポイントがない』、こういった事は多くの就活生が感じる事ですので、自己分析を正しく行う第一歩としてそのショックを受け止める事が大切です。

間違いやすい自己分析

自己分析をする際によくやる間違いとして、自分の長所や強みを思い込みで決めてしまう事があげられます。
自分が強みだと思っている事をアピールする事は一向にかまわないのですが、それが思い込みである場合は問題ありです。
学生生活の中で自分自身をしっかりと見つめ、自己分析をした経験のある人は少ないのではないでしょうか。そういった中で自分の強みがすぐに出てくる場合には思い込みである可能性が高いといえるでしょう。特にその長所が責任感や忍耐力といったような抽象的でありきたりなものである場合には要注意です。それが長所や強みだといえる明確な根拠はありますか?この質問に明確に答える事ができなければ自己分析がしっかりとできていない証拠です。

また、企業の求める人物像に自分を寄せていってしまう事もよくやりがちな失敗例です。
自己分析はあくまでも自分自身を客観的に見るためのもので、自分でも気付いていないような強みやアピールポイントを探す事が目的です。それなのにも関わらず、企業の求める人物像ありきで自己分析を考えてしまっては、本当の自分を知る事はできません。
自己分析段階では、自分がいきたいと思っている企業の求める人物像は度外視して行う事が重要です。

自己分析にオススメの本

就職活動における自己分析に役立つ本として定評があるのが日本経済新聞出版社から出ているマーカス バッキンガム ドナルド・O. クリフトン著の『さあ、才能に目覚めよう』という本です。
この本は日本だけでなく、世界の就活生に愛用されており非常に評価の高い本です。

この本最大の特徴はなんといっても潜在能力を測定してくれるストレングス・ファインダーという分析ツールがついているという点でしょう。
170問前後の簡単な質問に答える事で自分自身の強みを判定する事ができます。簡単にいってしまえばよくある心理テストと同じような形式ではあるのですが、実際にこれを用いた過去の就活生からの評判は非常に高いものがあります。長い歴史と研究の中で導き出されたこの分析ツールはその辺の診断テストとは一線を画すクオリティですので自己分析をする際の強力な助っ人になってくれることでしょう。
本の中では導き出された自分自身の強みをどのようにアピールしたらいいのか?というところまで言及されていますので、具体的にどうしたらいいのか分からないという人にとっても非常におすすめできる書籍です。

成功する自己分析シート


自己分析をする際には、自己分析シートを使って効率的に行いましょう。
自己分析シートは簡単にいうと自分の経歴を紙に書き出して、そこから強みを見つけていくというものです。
自己分析の目的がはっきりと決まった段階で、実際に自己分析シートを作ってみましょう。

まずは自分の今までの経歴を振り返ってみます。遡れるだけ遡ったほうがいいですが、概ね中学生や高校生くらいまでで十分です。時間軸に分けて紙などに箇条書きにして書き出して見てください。この自分のたどってきた経歴を見て、深く取り組んできた事や本気で頑張ってきた事など、掘り下げられるものがあればできるだけ深くまで掘り下げていきます。なぜそれを頑張ったのか?それを頑張った事でどのようなスキルが身についたのか?結果としてどのようなものが得られたのか?などが分かるといいでしょう。この過去の経験を深堀して紙を用いて、自分がアピールできそうな強みや特徴を見つけていきます。
もし上手くその長所を表現できないという場合には、自分なりの言葉でキャッチフレーズを付けるなり、名付けるなりをしてもかまいません。

自己分析に使えるフレームワーク

SWOT分析というものを聞いた事があるでしょうか。
SWOT分析は企業の経営戦略などを考えるうえで用いられるフレームワークの一種です。
このフレームワークはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)それぞれの頭文字を取ってSWOT分析と呼ばれています。本来は企業の強みや弱み、機会(チャンス)、脅威を分析するのに使いますが、これを応用して自己分析に用いる事ができます。

方法は簡単で、
①まず自分自身のSWOT分析を行い、その後に自分のいきたい企業のSWOT分析を行います。
②分析を行う際には、紙に十字の線を書いて、4つに区分けします。
③ひとつずつ順番にS、W、O、Tと書き、その部分に該当する内容を箇条書きにして書き込んでいってください。
④この要領で自分自身と希望する企業両者の分析が終わったら、ふたつの分析結果を見比べてマッチしているかどうか見てみましょう。
このとき、分析した結果がマッチしている場合には自分自身の強みを面接などで堂々と話して大丈夫です。

この分析結果によって得られた答えは非常に論理的ですので、面接で深くまで踏み込まれたとしても自信をもって回答できるはずです。

自己分析の注意点


それでは最後に、実際に自己分析を行ううえで注意したいポイントについて見ていきましょう。

自己分析シートやSWOT分析などでも見てきたように、自己分析を行うときには必ず紙に書いてください。めんどうくさがって紙に書かずに自分の頭の中だけでやる人がいますが、それでは詳細で綿密な自己分析はできません。紙に思い付くままに書けるだけ書いていく事で、どんなささいな事であっても自覚する事ができます。自分自身の分析結果を客観的に見るという意味でも紙に書き出す事は非常に重要な事なのです。

また、自分自身に嘘をつかないという事も大切です。分析シートに書いた事やSWOT分析のフレームワークに書きこんだ事自体は誰も見るわけではありませんので、虚栄心や遠慮といった感情は抜きにして自分に正直に書きこんでいってください。
とにかく自己分析において重要なのは客観的な視点です。自分をどれだけ客観的に見る事ができるかが正確な自己分析をするためには不可欠ですのでしっかりと意識して自己分析をしていきたいところです。