自転車業界の仕事とは?シェアランキング上位企業の戦略も!

2019.08.27企業研究・業界研究
自転車業界の仕事とは?シェアランキング上位企業の戦略も!

原油高騰や環境汚染、高齢や健康状態に起因した事故の多発などで、自動車離れへの動きが加速しつつあるなか、注目されているのが自転車市場です。とくに昨今はスポーツサイクルや電動アシスト付き自転車の需要が高まっており、10代からシニア層まで、移動手段としてだけでなく幅広いニーズに応えた商品が展開されています。

ではこれから、こうした自転車業界動向主な企業とその戦略、仕事内容などについてご紹介しましょう。

自転車業界の動向とは?

自転車業界の動向とは?

概要

自転車業界においては近年、クロスバイクやマウンテンバイクなどスポーツサイクルの需要が高い傾向にあります。この背景には健康志向が高まっていることや、移動手段としてではなく、ツーリングなどの趣味で自転車を楽しむ人が増えている事情があります。

電動アシスト付き自転車が幅広い年齢層の移動手段として浸透してきている点にも注目です。今後はシニア向けのものや、学生が通学で使用できるモデル、40~50代の男性を対象としたスポーツタイプのスタイリッシュな通勤モデルまでが求められるようになるでしょう。

グローバルな視点で見ると、自転車部品事業の「シマノ」が高収益を維持しています。高品質・高耐久・低コストの部品を世界に提供し、そのシェア率はスポーツサイクル向け部品の8割超です。しかし、完成車の市場においては海外メーカーが主となっており、日本メーカーはその存在感が薄くなっているのが現状です。

今後の課題

高品質・高耐久にもかかわらず、近年世界での流通が落ち込んでいる日本製自転車ですが、海外展開は企業存続に欠かせません。

日本で車から自転車へ移動手段をシフトしにくい理由のひとつとして、道路上における安全問題が挙げられます。将来的に自転車をもっと広く普及させるためには、自転車専用道路やレーンなどの整備、駐輪スペースの不足改善などが課題といえるでしょう。

また自転車事故も多く、車と同様の法整備や免許、保険などの導入も検討すべきと指摘されています。さらに自転車は雨天時に使用しづらく、真夏は熱中症が懸念されるなどの点から、通勤通学で敬遠されることも。荒天や日除け対策が施された商品開発などもメーカーの課題といえます。

成長戦略

2019年4月にパナソニックサイクルテックが、電動アシスト付き自転車の全車両にIoT機能を搭載するという開発の方向性を発表しました。まずは自転車シェアリングという形で、スマートフォンで施錠・解錠ができる製品を活用した実証実験をおこないます。将来的には、走行データ分析や位置情報を知らせる機能、衝突を未然に防ぐ事故軽減機能、盗難防止機能など、新たなサービスに活用できる商品を開発し拡販へとつなげる考えです。

また、シェアリングやレンタルなどのサービス参入によって利用の場を広げ、将来的な拡販につなげようと試みる企業も増えています。海外展開としては、シマノの高品質・高耐久の部品やパナソニックのIoTユニットなど、日本ならではの良さを活かした製品の商用化によって、日本メーカーのシェアの伸びが期待できるかもしれません。

自転車業界の主な企業

自転車業界の主な企業

世界最大シェアの「ジャイアント(GIANT)」

近年、世界の自転車市場は台湾メーカーの独壇場といっても過言ではありません。なかでも、年間生産台数650万台以上で世界最大のシェアを誇るのが、台湾に本社を構えるスポーツサイクルブランド「ジャイアント」。1989年には日本拠点となる「ジャイアントジャパン」も設立され、全国各地で直営店の「ジャイアントストア」を展開しています。

観光地などで行っているレンタサイクルは、日本の美しい景色を満喫できるサービスです。メンテナンスサポートはもちろん、ライドイベントや修理講習のセミナーなども定期的に開催し、ビギナーから上級者までに幅広く寄り添える、世界でもっともプロフェッショナルな自転車企業を目指しています。

国内トップメーカー「ブリヂストンサイクル(BRIDGESTONE)」

企業全体における2018年度連結売上高は約3兆6,500億円、国内自転車販売メーカー首位の位置にいるのが「ブリヂストン」です。

10代からシニアまで幅広い層への電動アシスト自転車を展開し、2018年には平地を走りながら自動充電する機能を搭載したモデルの開発を発表しました。また子育て世代の女性向けファッション誌とのコラボモデルも発売するなど、安全性とおしゃれさを兼ね備えた商品開発にも取り組んでいます。

IoT技術で革新「パナソニック サイクルテック(Panasonic)」

2018年3月期の売上高は317億円という代表的な自転車メーカー「パナソニック サイクルテック」。2019年3月におけるパナソニック製電動アシスト自転車の国内完成車累計出荷台数は300万台を突破しました。

2019年5月にはシェア事業参入を発表。IoT機能付き電動アシスト自転車によるシェアリングサービス実証実験をおこなって将来的な拡販を目指します。今後は地方の観光地における電動アシストマウンテンバイクなどの自転車レンタルサービスを展開していく予定です。

自転車業界で働く人の仕事内容

設計・開発

マーケティングなどをもとに、自転車の設計やデザインなど、新しいモデル開発にかかわる業務をおこないます。高等専門学校や大学で学んだ知識を活かせる仕事です。

品質保証

自転車のメンテナンスや修理などをおこないます。近年はスポーツサイクルなどが人気で、修理技術の高さも重要視される技術のひとつです。入社後に自転車技士や自転車安全整備士の資格取得を義務付ける企業も多いようです。

製造・生産技術職

自転車部品の製造や組み立てなど、実際の自転車製造にかかわる業務です。自転車技士

や自転車安全整備士の有資格者は優遇されることもありますが、未経験でも応募できる企業も多いようです。

先輩の声

自転車は必ずしも必要なものではないかもしれませんが、だからこそ、それでも愛用してもらえる製品を作ることにやりがいを感じられると考えています。レガシーな業界ではありますが、良いところは残しつつ、シェアサイクルや健康増進のためといった新しいニーズに応えながら自転車から新たな時代を作っていきたいと思える人、単純に自転車が好きという人にはおすすめの業界です。

おわりに

世界的には厳しい状況の自転車業界ですが、電動アシスト車やスポーツ車は幅広い層にニーズが拡大しており、今後もIoT搭載などによって可能性が広がります。やりがいのある職種も多いので、興味がある人は検討されてみてはいかがでしょうか。

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タグ : 企業研究 業界研究 自転車業界
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