自己分析はやり出すと「沼」にハマり出します。「どこまでやればいいの…」と堂々巡りになる学生さんも少なくありません。
ただ、あくまで自己分析は「自分のことを知らない相手に、自分という人物の特徴等を伝えられるようにする」ことが目的です。やりすぎても意味がありません。
そのため、なぜ「自己分析をやるのか?」という点を念頭に入れておくことが重要です。そうすることで、効率的かつ効果的に自己分析を進めることができます。
そこでこの記事では、以下の内容について解説していきます。
▼この記事でわかる内容 ・自己分析のゴールとは? ・自己分析をどこまでやるのが正解なのか? ・「沼」にハマらないための考え方は? ・正しい自己分析の手順 |
この記事を読んで自己分析をうまく進めて就活を成功に導きましょう!
自己分析の「ゴール」は?
自己分析の目的は、自分を理解することです。そのため、自分はどんな人間か(自分の強み・弱み)、興味のあることや関心のあること、自分が大切にしていること(価値観)が自分自身で理解できれば、そこがゴールといえます。
面接のときに、自分について分かりやすく簡易的に説明できるかどうかも1つの目安となるでしょう。自分を理解することをゴールとして定めて、自己分析を行ってくださいね。
また、1回の自己分析にあまり時間をかけないように心掛けてください。答えが出て来ないときは無理に出さなくても大丈夫です。1回で無理に答えを出そうとしてしまうと、負担に感じてしまうこともあります。詰まってしまったときは時間をあけて、自己分析を行うと良いでしょう。
他にも短所ばかりに目を向けることは避けてください。短所も見つめることは大切ですが、短所ばかり見つけているとつらくなってしまいます。ネガティブな部分にとらわれすぎないようにしましょう。
▼自己分析のゴールの目安 ・自分を理解することがゴール ・自分について分かりやすく簡易的に説明できるかどうかが1つの目安 |
「自己分析の沼」にハマらないために
「自己分析の沼」とは、就活や転職活動において、自分の強みや弱み、価値観などを 深く考えすぎて抜け出せなくなる状態のことを指します。ただ、この自己分析の沼から抜け出すためには、以下のポイントを押さえることで抜け出すことができます。
▼「自己分析の沼」にハマらないためのポイント ・ポイント①|実行と思考のバランスを保つ ・ポイント②|分析を修正する柔軟性を持つ ・ポイント③|就活面接の経験を積む |
それぞれ詳細に解説していきます。
ポイント①|実行と思考のバランスを保つ
自己分析は、机の上で考えるだけでなく、実際に行動してみることが重要です。例えば、以下のような行動が挙げられます。
- インターンシップやボランティア活動に参加する
- アルバイトやサークル活動で経験を積む
- OB・OG訪問をして話を聞く
これらの経験を通じて、自分について新たな発見 をすることができます。
また、行動した後は、振り返りを行い、分析することも大切です。振り返りの際には以下のようなポイントを振り返ってみましょう。
- 自分がどのような役割を果たしたのか
- どのようなスキルを発揮したのか
- どのような課題に直面したのか
これらの経験を分析することで、自己理解を深めることができます。
ポイント②|分析を修正する柔軟性を持つ
自己分析は、一度完成したら終わりではありません。自分自身も日々成長し変化していくように、自己分析もまた、時間をかけてじっくりと向き合う中で、新たな発見や気づきを得て進化していくものです。
例えば、アルバイトでの成功体験を通じて「リーダーシップがある」と自己分析していたとします。しかし、その後、チームプロジェクトで失敗を経験したことで、「協調性も大切だ」と考えるようになるかもしれません。
このように、自己分析は固定されたものではなく、状況や経験に応じて柔軟に変化していくべきものです。完璧な自己分析を目指そうとせず、常に自分自身と向き合い、自己理解を深めていくことが大切です。
ポイント③|就活面接の経験を積む
就活面接は、自己分析の成果を客観的に評価し新たな視点を得る絶好の機会です。面接官からの質問は、自分では気づかなかった強みや弱みを浮き彫りにし、自己分析を深めるきっかけになります。
例えば、「学生時代に最も力を入れたことは何ですか?」という質問に対して、あなたは「サークル活動でのイベント企画」と答えたとします。
しかし、面接官から「その経験を通じて、あなたは何を学びましたか?」と深掘りされたことで、あなたは「目標達成のためには周囲との協力が不可欠だ」という新たな気づきを得るかもしれません。
このように、就活面接は自己分析の成果を試す場であると同時に、自己理解を深めるための貴重な学びの場でもあります。面接を通して得られたフィードバックを積極的に自己分析に活かし、成長につなげていきましょう。
自己分析を沼にハマらず進める手順
自己分析は、自分の強みや弱み、価値観、興味関心などを深く理解し、キャリア選択や就職活動に役立てるための重要なプロセスです。しかし、やり方によっては迷走したり、時間ばかりかかってしまったりすることもあります。ここでは、効率的に自己分析を進めるためのステップをご紹介します。
▼自己分析を沼にハマらず進める手順 ・STEP①|過去の経験を振り返る ・STEP②|自分の強みや弱みを分析する ・STEP③|価値観を明確にする ・STEP④|興味・関心を把握する ・STEP⑤|SWOT分析を行う ・STEP⑥|ロールモデルを見つける ・STEP⑦|キャリアビジョンを作成する |
STEP①|過去の経験を振り返る
まずは、幼少期から現在までの経験を振り返ってみましょう。アルバイト、サークル活動、ボランティア、留学など、様々な経験を書き出してみてください。
その際、以下の3つの視点で振り返ることがポイントです。
- 何が成功の要因だったのか?
- 何が失敗の原因だったのか?
- なぜ楽しかったのか?なぜやりがいを感じたのか?
これらを振り返ることで過去の経験を構造的に捉えることができます。
STEP②|自分の強みや弱みを分析する
過去の経験を振り返る中で、自分の強みと弱みが見えてくるはずです。
強みはさらに伸ばし、弱みは改善できるように意識しましょう。客観的な視点を持つために、友人や家族に意見を求めるのも有効です。
STEP③|価値観を明確にする
自分にとって何が大切なのか、どんなことを重視するのかを明確にしましょう。
仕事内容、企業文化、働き方、給与など、様々な価値観があるはずです。優先順位をつけて整理することで、自分に合った仕事や企業を見つけやすくなります。
STEP④|興味・関心を把握する
どんなことに興味があり、どんなことに関心があるのかを把握しましょう。
好きなこと、得意なこと、やってみたいことなどを書き出してみてください。興味・関心のある分野で仕事をすることで、モチベーションを高く維持することができます。
STEP⑤|SWOT分析を行う
SWOT分析とは、自分の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析するフレームワークです。経営やマーケティングの領域で使わている理論を就活に適用したものです。
SWOT分析を活用することで、これまでのステップで洗い出した情報を整理し、客観的に自己分析することができます。以下の表のように、内的要因と外的要因に分けて整理してみるとさらに網羅的に自身を捉えることができます。
▼SWOT分析の事例
項目 | 強み(Strengths) | 弱み(Weaknesses) | 機会(Opportunities) | 脅威(Threats) |
---|---|---|---|---|
内的要因 | ・コミュニケーション能力が高い ・リーダーシップ経験がある ・特定分野の専門知識がある ・語学力がある ・プログラミングスキルがある ・継続力がある ・責任感がある ・協調性がある | ・自己PRが苦手 ・面接での緊張しやすい ・経験不足 ・特定分野への知識が浅い ・スキル不足 ・自信がない ・ストレスを感じやすい ・計画性が低い | ー | ー |
外的要因 | ー | ー | ・成長産業での求人が多い ・インターンシップ制度が充実している ・オンライン面接の普及 ・自分の強みを活かせる企業がある ・未経験者歓迎の求人がある | ・景気悪化による求人減少 ・競争率が高い ・新型コロナウイルスの影響による採用活動の変化 ・オンライン面接でのアピールが難しい ・企業の求める人物像と自分のミスマッチ |
STEP⑥|ロールモデルを見つける
就活を成功させるためには、明確なキャリアビジョンを持つことが重要です。そこで、目標とする人物や憧れの人物をロールモデルとして設定することをおすすめします。
ロールモデルは、自分の将来像を具体的にイメージする上で非常に役立ちます。彼らのキャリアパスを参考にすれば、自分がどのような道を歩みたいのか、どのようなスキルや経験が必要なのかを具体的に把握することができます。
例えば、目標とする人物が海外で活躍している起業家であれば、その人物の経歴や事業内容、海外進出の経緯などを詳しく調べてみましょう。そして、その人物がどのような考え方で事業を成功させたのか、どのような困難を乗り越えてきたのかを知ることで、自分自身のキャリアプランに活かせる教訓やヒントを得ることができます。
STEP⑦|キャリアビジョンを作成する
将来、どのようなキャリアを築きたいのか、具体的なビジョンを作成しましょう。5年後、10年後、どのような仕事をして、どのような生活を送りたいのかをイメージしてみてください。キャリアビジョンを持つことで、目標に向かって努力することができます。
自己分析は、一度で完璧に仕上げる必要はありません。時間をかけてじっくりと取り組み、定期的に見直すことが大切です。自分自身と向き合い、自己理解を深めることで、より良いキャリア選択につなげましょう。
おわりに
今回は、自己分析の項目はどこまでやるべきなのか、自己分析のゴールはどこなのかについてご紹介しました。
自己分析は、明確な答えがない分、どこまでやるべきなのか終わりが見えないかもしれません。まずは、自分はどんな人間なのか、強みは何か、自分で理解できるようになることがゴールの目安です。自分を理解することを目標に自己分析をしてみてください。