【2025年】広告業界の就職は難しい？仕事内容やES･面接対策までまとめて解説

「広告業界での就職を目指しているけれど、どうやって一歩踏み出せば良いのか分からない。」

このような悩みを抱えていませんか？　

魅力的な人気の高い広告業界において就職で求められるスキルや、面接でのポイント、そして業界特有の文化や働き方について理解していないと、内定獲得は難しくなります。

そのため、本記事では広告業界の仕事内容や業界動向、面接対策まで就活生に役立つ情報をまとめて解説します。

広告代理店の就職は難しい？

広告業界は、就職倍率が高く、就職の難易度も高いのが実情です。

クリエイティブで華やかな印象のある広告代理店は、例年就活生から多くの人気を集めています。

東洋経済オンラインが発表した2024卒・後半就職人気ランキングによると、4位に博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ、25位にジェイアール東日本企画、74位に電通、124位にサイバーエージェントがランクインしています。

このように、就活生から多くの人気を集め、広告代理店への就職は狭き門と言えます。そこで本記事で紹介する内容を参考に、有利に就職活動を進めましょう。

 人気の広告業界！どんな種類がある？

広告業界とひとくくりに言っても、その種類はさまざまです。ここでは、広告業界の中でも、総合広告代理店、専門広告代理店、ハウスエージェンシーの3つに分けて紹介します。

総合広告代理店

総合広告代理店とは、広告のコンセプト作りから実際の制作、適切な媒体の選択、そして結果の分析まで、広告に関する全工程を一手に担います。

多様な業界知識を活かし、クライアントの事業課題や目標に対して、適切かつ効果的な広告戦略を提案します。

代表的な総合広告代理店に、株式会社電通や株式会社博報堂、株式会社ADKクリエイティブ・ワンなどがあります。

専門広告代理店

専門広告代理店とは、多様な広告媒体がある中で、特定の媒体を専門に取り扱う広告会社、もしくは特定の広告業務を専門に扱う広告会社を指します。

例えば、特定の媒体を専門に取り扱う広告会社であれば、インターネット広告専門に取り扱う、テレビ広告のみ専門に取り扱う広告会社が該当します。

特定の広告業務を専門に扱う広告会社であれば、広告戦略の立案・広告のクリエイティブ作成といった、業務単位で専門に取り扱う広告会社が該当します。

代表企業に、株式会社サイバーエージェント、株式会社アイレップなどがあります。

ハウスエージェンシー

ハウスエージェンシーとは、自社の親会社である企業やグループの広告業務全般を担当する子会社の代理店を指します。

親会社の商品やサービスの広告業務全般をほぼ独占的に担当するため、営業や提案を行わずに自動的に仕事が受注できるという特徴があります。

そのほか、仲介手数料や他の広告代理店に依頼する際の情報漏洩リスクを防げるといった点もあります。

代表企業に、トヨタ・コニック・プロ株式会社(トヨタ自動車)、ジェイアール東日本企画（JR東日本)、東急エージェンシー（東急)などがあります。

 広告業界の仕事内容とは？

広告のスペシャリストとしてクライアントに適切かつ効果的な広告提案を行う広告代理店ですが、中ではさまざまな職種が連携しながらクライアントの要望を満たすために活躍しています。

ここでは、大きく3つに分けて、広告業界の仕事内容を紹介します。

営業部門

営業部門は、案件獲得のためのクライアント探しをメインに担当します。

また、過去に取引のあったクライアントのフォローやスポンサー探しといった業務も担います。

基本的に、クライアントとの窓口となるため、コミュニケーション能力が高く、様々な人と円滑に話せる人は営業職に向いていると言えます。

企画部門

企画部門は、その名の通り、広告企画の立案・提案を行います。

クライアントのニーズに合わせ、適切な広告媒体は何か、どういった広告を打ち出すか、といった効果的な広告戦略を提案します。

市場調査やデータ分析に基づいて、戦略を練るため、論理的思考力が高く、データを分析・解釈を得意とする人や、マーケティングや消費者心理に興味がある人に向いています。

クリエイティブ部門

クリエイティブ部門は、企画部門が立案した戦略に基づいた実際の広告物を制作します。

具体的には、CM・ポスター・ウェブ広告などの制作、デザイン、コピーライティングの作成などを担います。

そのため、デザインやライティングなどのクリエイティブスキルが高い人や、トレンドに敏感な人などが向いています。

就活生は知っておきたい広告業界の最新動向

さまざまなテクノロジーの発展と共に、広告媒体も多様化を続けています。こうした目まぐるしい技術進歩同様、広告業界の動向も大きく変化をしています。

そんな広告業界の動向について、ここでは以下の2つの項目に分けて紹介します。

動画広告市場が拡大

動画広告の市場規模は近年急速に成長を続けています。

動画広告とは、その名の通り音声や映像が組み合わさった広告を指します。

具体的には、ウェブサイトやアプリ内で挿入されたり、動画サイトのコンテンツ間で挿入されるケースが該当します。

消費者庁のデータによると、中でも近年スマートフォンの普及に伴い、スマホ向けの広告需要が大幅に増加しています。特に、YouTubeやInstagramといったSNSの普及の高まりにより、動画コンテンツの間に挿入される広告の需要が著しく増加しています。

アドテクノロジーの進化

アドテクノロジーとは、デジタル広告の配信や最適化を支援する技術の総称を指します。

代表的な例を挙げると、AI技術の進歩により、ユーザーの好みや特性に合った広告の表示が自動的に可能になった技術や、動画広告から直接買い物ができるなどの要素を含められるようになったことなどが挙げられます。

こうしたアドテクノロジーの進化により、新たな動画広告のトレンドが市場を大きく変化させる要因となっています。

広告業界の就職に向いている人とは

クライアントとの関係構築から戦略立案、クリエイティブ制作まで多様な業務を担う広告業界では、様々な能力が求められます。

ここでは、広告業界の就職に向いている人の特徴を3つ紹介します。

ストレスに強い

広告業界への就職には、ストレス耐性の強い人が向いています。

締め切りや結果を重要視される広告業界では、強いプレッシャーがかかることも頻繁に考えられるためです。

具体的には、クライアントの期待に伴う実績の創出ができるか、突発的な変更や追加作業に対応できるか、プロジェクトの責任の重さを受け止められるかといったものが挙げられます。

コミュニケーション能力がある

広告業界では、コミュニケーション能力がある人材が非常に重宝されます。

広告業務の業務内では、クライアントとの関係構築や関係維持、チームで業務に臨む機会が多いためです。

具体的には、クライアントの要望を正確に理解し、社内外に的確に伝達できるか、クライアント、同僚、外部パートナーとの信頼関係を築けるか、といったことが挙げられます。

トレンドに敏感である

広告業界は常に流行と共に変化を続けるため、トレンドに敏感な人は向いていると言えます。

具体的には、SNSや雑誌などの最新情報を発信しているメディアに頻繁に目を通したり、毎日ニュースサイトを読むなどすることで、自ら最新のトレンドを掴むことを得意とする人は広告業界に向いていると言えます。

社会の動向や消費者の嗜好の変化を素早く察知し、いかに業務に活かせるかが重要です。

広告業界の就職：ES・面接対策

広告業界の就職は例年非常に人気が高いです。したがって就職難易度も高いですが、面接やES対策をしっかりと行うことで、内定獲得しやすくなります。

ここでは、広告業界のESと面接対策についてわかりやすく紹介します。

広告業界のES対策

自己PRと志望動機は、似たような印象を持つ就活生も多いのではないでしょうか。

しかし、実際には明確に役割が異なります。

自己PRでは、自分の強みを企業に伝え、入社後の貢献性をアピールしましょう。一方の志望動機では、個別の企業を志望する理由を明確にし、熱意を伝えましょう。

ここでは、ES対策として自己PRと志望動機の書き方をわかりやすく紹介します。

ご自身の面接対策の参考にしてください。

広告業界の自己PRの書き方

自己PRで採用担当者が見極めるポイントは主に以下の3つです。

• 就活生自身の強みを理解し、それを入社後に活かして貢献できるか
• 企業の文化や理念に合っているか
• 長く働き、自社で活躍できるか

ストレス耐性がある、コミュニケーション力がある、トレンドに敏感であるといった広告業界に向いている人の特徴と自身を重ね合わせ、該当する項目があれば組み込んでみることをおすすめします。

また、自己PRを作成する際には、実際の経験や実績などの具体的な内容を入れましょう。経験から得た実績が数値などで表せる場合は、数値も記入しましょう。

内容に説得力が生まれ、面接官へより効果的にアピールできます。

具体的な例文を以下に紹介しますので、自己PR作成の際には参考にしてください。

例：私の強みは、創造力と分析力を組み合わせた効果的な企画立案能力です。大学時代の学園祭実行委員会では、SNSを活用した広報戦略を担当し、過去最高の来場者数を達成しました。具体的には、ターゲット層の行動分析に基づいて投稿内容と時間を最適化し、前年比200%に向上させました。また、インターンシップでは、クライアントの要望を丁寧にヒアリングし、競合他社の動向も踏まえた提案を行うことで、上司から高い評価を得ました。この経験を活かし、貴社でもデータに基づいた斬新な広告企画の立案に貢献したいと考えています。

広告業界の志望動機の書き方

志望動機で面接官が見極める点は以下です。

• なぜ広告業界を志望するのか
• 自社への志望度はどの程度か
• 企業に関しての理解はどの程度か

志望動機は、さまざまある業界の中でなぜ広告業界を志望するのか、さらには、なぜその企業を志望するのかをアピールするための重要な項目です。

入社への意欲・熱意が高いことは内定へのチャンスを近づけます。志望する企業の理念や特性、文化など、事前に念入りに調べて研究しておきましょう。そのうえで、どういった点に共感し、そのために自身が企業の為に何ができるかを示しましょう。

また、志望する企業での貢献性はもちろん、自身が広告業界にどのような魅力を感じ、広告業界でどのような活躍をしたいかといった将来性についても示すことで、より意欲をアピールできます。

具体的な例文を以下に紹介します。

例：私が貴社を志望する理由は、消費者の心に響くブランドストーリーを創造し、社会に新たな価値を提供したいという思いからです。貴社が手がけた◯◯キャンペーンは、単なる商品宣伝を超えて社会課題の解決にも貢献しており、広告の持つ力を実感しました。また、貴社の「今の流れに合わせるのではなく、未来を引き寄せる」という事業方針に強く共感しています。大学時代のマーケティング研究やイベント企画での経験を活かし、貴社の先進的な広告戦略の一翼を担いたいと考えています。入社後は、より多くの人に企業や商品の魅力を伝えられるマーケターとして成長し、社会に新たな価値を創造することに貢献したいです。

広告業界の面接対策

一般的に就職時の面接では、志望動機や自己PRに関する質問に加え、業界特有の質問を問われます。広告業界特有の面接質問の一例として以下が挙げられます。

• 広告業界で求められる人材はどのような人だと考えますか
• 最近気になった広告はなんですか
• 自分を表現するとしたら、どのようなキャッチコピーを考えますか
• 人とコミュニケーションを取る上で大切にしていることは何ですか
• これからの広告はどうあるべきだと思いますか

業界分析をしっかり行い、広告業界が求める人材や、業務内容など理解を深めておきましょう。

また、日ごろから広告を意識して、ターゲット層や目的を分析するなど、広告を見る目を鍛えておくことも役に立ちます。

こうした業界特有の質問に備えて対策をしておくことで、有利に面接試験を突破できるでしょう。

広告業界の就職に役立つ資格とは

広告業界では、専門的な知識やスキルが必要になる職種もあることを紹介しました。

ここでは、具体的にどのような資格が就職時に役立つのか紹介します。

これから広告業界を志望する方は、資格取得への選択肢も視野に入れてみてもいいでしょう。

Google広告認定資格試験

Google広告認定資格試験とは、Google 広告に関する基礎および上級レベルの知識を持った個人に Google が授与するプロフェッショナルの認定基準を指します。

Google広告認定資格試験を取得することで、取得者の持つオンライン広告に関する知識はGoogleによって認定された証明ができます。

専門知識の証明で、クライアントや顧客からの支持を獲得するのに有効です。

ウェブ解析士

ウェブ解析士とは、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が主催する民間資格で、ウェブマーケティングの基礎から実践的なスキルまで幅広く学ぶことができます。

アクセス解析などのウェブ解析データを活用することで、KPI設定、現状分析、計画立案などをより効果的にできます。

また、ウェブ解析士の資格で、顧客にWEB広告を正しく提案できるようになります。

デジタルマーケティングスキルの証明にもなるため、クライアントや顧客への説得力向上も期待できます。

マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定とは、国際実務マーケティング協会が実施するマーケティング実務に関する知識を判断するための検定試験です。

特定の業種・業界にとらわれずにどの業界でも活用できるマーケティングの知識を身に着ける事が可能です。

クライアントや顧客のニーズに基づいた広告を立案する広告業界では、マーケティングスキルは必要不可欠です。基本的なマーケティングスキルを持っていることや実務に必要な知識を持っていることは、広告業界の就職時に大いに有利に重宝されるでしょう。

統計検定

統計検定とは、日本統計学会が主催する、統計の知識や技能を評価・認定する資格検定です。

統計学の基礎知識を身に着ける事ができ、データ分析とその解釈に関するスキル向上を目指せます。実際のデータに基づいて戦略を練る事が求められる広告業界では、データ分析と解釈のスキルがあることは重宝されます。

統計検定は、総務省、文部科学省、経済産業省、内閣府、厚生労働省から後援を受けており、非常に信頼度の高い資格でもあります。

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が主催する技能試験です。

国際標準規格等に基づいた、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等を問う試験で、ホームページ制作やシステム構築等の知識や能力を身に着ける事ができます。

ウェブデザイン技能検定は、国家資格であるため、取得にあたってはウェブデザインに関する知識、技能に高い信頼性を得る事ができます。

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、職種を問わず、必要とされる基礎的な法律知識を身に着ける事ができる検定です。

ビジネスにおけるリスクを事前に察知し未然に防いだり、問題解決法を導き出すなど、身に着けておくことで様々なシーンで役立てる事ができます。

ビジネス実務法務検定は、広告業界以外でも重宝される資格ですので、転職の際にも有利に働きます。

広告業界の就職に関してよくある質問

ここでは、広告業界での就職を考えている就活生からよくある質問を3つ紹介します。

広告業界の年収はどのくらい？

令和4年の民間給与実態統計調査によると広告業界の新卒(20〜24歳)の平均年収は299万7,000円です。

しかし、企業や職種によって年収には大きく差があります。代表的な例をいくつかあげると、株式会社博報堂の総合職の初任給は博報堂新卒採用サイトによると月給30万円です。よって、1年目の年収は賞与を考慮しない最低額でも360万円です。

また、株式会社サイバーエージェントは職種に関わらず、初任給はサイバーエージェント新卒採用サイトによると42万円と公表されています。よって年収は最低でも504万円となっています。

比較的高水準にあるように思えますが、広告代理店に勤めれば必ず高収入が得られるわけではありません。企業規模や個人の能力、経験などによって大きく異なります。

広告業界の仕事はきついって本当？

広告業界は、仕事量の多さや残業時間が長い業界とも言われています。競争が激しく、需要の多い業界でもあるため、こうした傾向があります。

しかし、近年では働き方改革が進んだこともあり、業界全体で残業時間削減などが積極的に実施されています。

広告業界の業務は多岐に渡るため、業務量が多いことや常に数字を考えながら業務に当たらなければなりません。そのため、きついと感じることもある反面、やりがいも大きい業種です。

広告代理店は学歴フィルターはある？

結論からいうと、志望する企業によっては学歴フィルターは存在する場合があります。

特に大手総合広告代理店への就職は学歴が有利に働く傾向にあります。

また、広告代理店では、専門の知識やスキルが必要とされるため、デザイン職等のクリエイティブ担当には、美術系や芸術系の大学からの採用が多いのも特徴的です。

 先輩の声

広告業界は一見、華やかな印象を持ちますが、業務内容を理解すると意外と泥臭い業務も多いので、その部分も理解した上での志望をオススメします！

また、メディアもラジオからテレビへ、そして近年はインターネットへ移り変わっています。若いうちからインターネットと親しみの深い、我々の世代が新たな広告のあり方を創造しやすいと思います。

日頃から、スマホに出てくる広告に対して、自分の意見などをまとめておくと良いと思います！

 おわりに

華やかな印象で、多くの就活生から人気を集める広告業界。

本記事では、広告業界の就職に関する基礎知識から、就活時の対策まで分かりやすく解説しました。

広告業界では、専門的な知識やスキルを要する職種もありますが、多くが未経験からでも就職しやすい業界です。

広告業界への就職を検討している方は、ぜひ本記事で紹介した内容を、ご自身の就職活動にお役立ていただけたらと思います。