就活で必ず聞かれる「長所」の質問。何を答えればいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、企業側の意図と自己分析をすれば、意外とスムーズに答えることができます。
この記事では、面接で自信を持って長所をアピールできるよう、すぐに活用できる「長所一覧表」と合わせて、企業がなぜ長所を聞くのか、効果的なアピール方法、そして自分の長所を見つける方法について徹底解説します。
▼この記事で理解できる内容 ・面接官はなぜ長所を聞いてくるのか ・自分の長所の見つけ方 ・就活で使える「長所一覧表」 ・長所を適切にアピールする方法 |
最後まで読めば、きっと就活での長所アピールに自信が持てるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
また、就活では長所だけでなく、自己理解を深めることが重要です。自己分析は、自分の強みや弱み、価値観などを理解し、企業とのマッチングを高めるために欠かせません。以下の記事も参考に、自己分析を進めてみてください。
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面接官はなぜ長所を聞いてくるのか
企業が面接で「長所」を尋ねる理由を理解することは、効果的な自己分析とアピールを可能にします。ここでは、面接官が「長所」を通して何を見極めようとしているのか、その意図を深堀りしていきます。
▼面接官はなぜ長所を聞いてくるのか ・理由①|自己分析能力を知るため ・理由②|ポジティブな人間が欲しいから ・理由③|業務への適性について見極めるため ・理由④|コミュニケーション能力を図るため |
以下で上記の4点について詳細に解説していきます。
理由①|自己分析能力を知るため
面接官は、応募者が自身の強みや弱みを客観的に把握・分析できているかどうかを判断します。 応募者が自分自身をどのように捉えているのか、そしてその捉え方が適切かどうかを理解したいと考えています。
自己分析能力は、自己成長やキャリア開発において非常に重要です。なぜなら、応募者が自身の強みや弱みを理解することで、それを活かした仕事選びや自己研鑽を行うことができるからです。
企業は、将来性のある人材を採用したいと考えています。自己分析能力が高い応募者は、自身の強みや弱みを活かして活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。
学生側は、自分の長所を具体的に説明できるだけでなく、「なぜそれを長所と捉えているのか」、その理由を明確に伝えられるように準備しておく必要があります。
理由②|ポジティブな人間が欲しいから
企業側は、明るく前向きで困難にも立ち向かえる人材を求めています。 ポジティブな人は、周囲の人を元気づけ、チーム全体の士気を高めてくれます。
さらに、企業は活気に満ちた職場環境を作りたいと考えています。 ポジティブな人は、そのような環境作りに貢献することができます。困難な状況でも諦めずに努力を続けられる人材は、企業にとって貴重な戦力となります。
学生側は、自分の長所をポジティブに表現し、明るく前向きな性格であることをアピールしましょう。 過去の経験の中で、困難にどのように立ち向かい、それを乗り越えたのかを具体的に話せるように準備しておきましょう。
理由③|業務への適性について見極めるため
面接官は、応募者の長所が、応募する職種や業務内容に合致しているかどうかを確認します。応募者がその職種で求められる能力やスキルを備えているかどうかを判断したいからです。
大前提として企業は、採用した人材がなるべく早く戦力としてワークすることを期待しています。そのため、応募者の長所が業務内容に合致しているかどうかは、採用判断において重要な要素となります。応募者がその職種で長く活躍できる可能性があるかどうかを判断するためにも、長所を質問します。
学生側は、自分の長所を、応募する職種や業務内容に関連付けて説明しましょう。自分の長所がどのように活かせるのか、具体的なエピソードを交えて話せるように準備しておきましょう。
理由④|コミュニケーション能力を図るため
面接官は、応募者が自分の考えや経験を論理的に伝え、相手に理解してもらうことができるかどうかを評価します。
特に企業は、チームワークを重視しており、周囲と円滑にコミュニケーションを取れる人材を求めています。
自分の長所をわかりやすく簡潔に説明し、面接官の質問に的確に答えられるように準備しておきましょう。声のトーンや表情にも気を配り、明るく前向きな印象を与えるようにしましょう。
自分の長所の見つけ方
自分の長所は、自分ひとりで考えているだけではなかなか見えてこないものです。そこで、ここでは具体的な長所を見つけるための3つの代表的な方法について解説していきます。
▼自分の長所の見つけ方 ・方法①|自身の成功体験について振り返る ・方法②|短所を長所に言い換える ・方法③|友人や親にきいみてる |
独りよがりな長所探しから脱却するためにも、ぜひ読み進めてみてください。また、ここでは詳しく解説しませんが、「ストレングスファインダー」も自分の強みを見つける上で効果的な手法です。興味のある方は、以下の記事も合わせてお読みください。
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ストレングスファインダーのやり方とは?自己分析をして就活に役立てよう
方法①|自身の成功体験について振り返る
過去の成功体験を振り返ることは、自身の強みを再発見する絶好のチャンスです。例えば、プレゼンテーションで高い評価を得た経験があれば、その要因を分析してみましょう。
論理的な構成力、分かりやすい説明、聞き手を惹きつける表現力など、様々な要素が考えられます。これらの要素は、あなたの長所を示す手がかりとなるでしょう。成功体験を深く掘り下げることで、自分でも気づいていなかった才能や能力に気づくことができるかもしれません。
方法②|短所を長所に言い換える
短所は、見方を変えれば長所になり得る可能性を秘めています。例えば、「完璧主義」は「高いクオリティを追求する姿勢」と言い換えることができます。
また、「おしゃべり」は「コミュニケーション能力が高い」と捉え直すことも可能です。短所をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブな側面に目を向けることで、新たな長所を発見できるかもしれません。
方法③|友人や親にきいみてる
自分自身では気づかない長所を、周囲の人々はよく見ています。友人や親は、あなたの良いところを客観的に評価してくれるでしょう。
例えば、あなたが「優柔不断」だと悩んでいるとしても、友人からは「いつも周りの意見を尊重してくれる」と評価されるかもしれません。周囲の人々の意見に耳を傾けることで、自分では見落としていた長所に気づくことができるでしょう。
就活で使える「長所一覧表」
ここでは就活で使える長所一覧を紹介していきます。また、長所に関しても下記の4つの観点から一覧表を作成しました。
▼長所一覧の4つの観点 ・コミュニケーション能力 ・行動力 ・ストレス耐性 ・チームワーク |
自身の長所を探るヒントとしてぜひご活用ください。
コミュニケーション能力の観点
長所 | 概要 | 応募企業でどのように活かせるか |
---|---|---|
傾聴力 | 相手の話に熱心に耳を傾け、共感し、理解しようとする能力。 | 営業職やカスタマーサポートなど、顧客とのコミュニケーションが重要な職種で活かせる。 |
説明力 | 複雑な情報や専門知識を分かりやすく相手に伝えられる能力。 | 教育、コンサルティング、技術職など、情報伝達が重要な職種で活かせる。 |
交渉力 | 相手との利害を調整し、合意点を見つける能力。 | 営業、人事、法務など、交渉や調整が必要な職種で活かせる。 |
プレゼンテーション能力 | 人前で分かりやすく、説得力のある発表ができる能力。 | 営業、マーケティング、広報など、プレゼン能力が求められる職種で活かせる。 |
語学力 | 外国語でのコミュニケーション能力。 | 海外営業、翻訳、通訳など、語学力が必須の職種で活かせる。 |
ユーモア | 場を和ませ、良好な人間関係を築く能力。 | 営業、接客業、広報など、コミュニケーションが重要な職種で活かせる。 |
行動力の観点
長所 | 概要 | 応募企業でどのように活かせるか |
---|---|---|
積極性 | 自ら進んで行動し、課題に取り組む姿勢。 | 営業、企画、開発など、主体性が求められる職種で活かせる。 |
チャレンジ精神 | 新しいことや困難なことに挑戦する意欲。 | スタートアップ企業、研究開発など、変化の激しい環境で活かせる。 |
決断力 | 状況を的確に判断し、迅速に決断を下す能力。 | 経営、管理職、プロジェクトマネージャーなど、リーダーシップが求められる職種で活かせる。 |
責任感 | 自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる姿勢。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
実行力 | 計画を立て、それを着実に実行に移す能力。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
問題解決能力 | 問題を発見し、解決策を提案・実行できる能力。 | カスタマーサポート、エンジニア、コンサルタントなど、問題解決が求められる職種で活かせる。 |
ストレス耐性の観点
長所 | 概要 | 応募企業でどのように活かせるか |
---|---|---|
忍耐力 | 困難な状況やプレッシャーに耐え、諦めずに努力する能力。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
ポジティブ思考 | 困難な状況でも前向きに捉え、解決策を見出そうとする姿勢。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
柔軟性 | 状況の変化に柔軟に対応し、臨機応変な行動ができる能力。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
冷静さ | プレッシャーやストレスのかかる状況でも、冷静さを保てる能力。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
楽観性 | 物事を楽観的に捉え、ストレスを溜め込まない性格。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
チームワークの観点
長所 | 概要 | 応募企業でどのように活かせるか |
---|---|---|
協調性 | 他者と協力し、共通の目標に向かって取り組む能力。 | 全ての職種で求められる基本的な資質。 |
リーダーシップ | チームをまとめ、目標達成に向けて導く能力。 | 管理職、プロジェクトマネージャーなど、リーダーシップが求められる職種で活かせる。 |
調整力 | 異なる意見や利害を調整し、合意形成を図る能力。 | プロジェクトマネージャー、人事、営業など、調整能力が求められる職種で活かせる。 |
気配り | 周囲の状況や人の気持ちを察し、適切な対応ができる能力。 | 接客業、営業、介護職など、対人関係が重要な職種で活かせる。 |
信頼関係構築力 | 相手との信頼関係を築き、良好な人間関係を構築できる能力。 | 営業、接客業、コンサルタントなど、対人関係が重要な職種で活かせる。 |
長所を面接官に適切にアピールする方法
自分の長所について理解を深めたら、次は面接官に効果的にアピールする方法を身につけましょう。自身の長所への分析における最終的な目的は、面接官にあなたの魅力を最大限に理解してもらうことです。
▼長所を面接官に適切にアピールする方法 ・STEP①|端的に自分の長所を一言で伝える ・STEP②|具体的なエピソードを交える ・STEP③|応募先企業でどのように活かせるのかを説明する ・STEP④|短所との関係性について伝える |
STEP①|端的に自分の長所を一言で伝える
面接の限られた時間の中で、自分の魅力を最大限に伝えるためには、まず長所を端的に一言で伝え、面接官の興味を引くことが重要です。
例えば、「私の長所は、最後までやり抜く力です」や「コミュニケーション能力には自信があります」といったように、簡潔かつ具体的に表現することで、面接官に好印象を与えられます。
STEP②|具体的なエピソードを交える
一言で長所を伝えただけでは、それが単なる自己評価だと捉えられてしまう可能性があります。そこで、具体的なエピソードを交えて説明することで、面接官があなたの長所をより具体的にイメージできるようにしましょう。
例えば、「学生時代に所属していたテニス部で、全国大会出場という目標を達成するために、毎日練習を欠かさず努力しました。その結果、目標を達成することができました」といったように、具体的な経験を語ることで、あなたの長所が裏付けられ、説得力が増します。
STEP③|応募先企業でどのように活かせるのかを説明する
自分の長所をアピールする上で、最も重要なのは、その長所が応募先企業でどのように活かせるのかを具体的に説明することです。
例えば、「営業職を志望しており、私の粘り強さは、お客様との信頼関係を築く上で役立つと考えています」といったように、企業が欲しがっている人材像と自分の長所を結びつけることで、あなたが企業にとって価値のある人材であることをアピールできます。
STEP④|短所との関係性について伝える
長所と短所は表裏一体であることが多いです。例えば、「完璧主義」という長所は、「細部にこだわりすぎてしまう」という短所にもつながります。短所を隠すのではなく、長所と短所の関係性を説明することで、自己理解の深さをアピールすることができます。
「私の長所は、最後までやり抜く力ですが、時には頑固になりすぎてしまうことがあります。しかし、チームメンバーの意見を尊重しながら、目標達成に向けて粘り強く取り組むことを心がけています」といったように、短所を補うための具体的な対策を伝えることで、自己成長への意欲を示すことができます。
就活生の例文についてテーマ別に紹介
では就活生は、実際にどんな能力を長所にしているのか、よく選ばれる代表的な長所と答え方の例文をご紹介しておきますので自分の長所を記入する際の参考にしてください!
「協調性」の例文
私の長所は協調性があるところです。
大学で所属していたサッカーのサークルでは、チームワークをよくするため、常に目標を立て、周りの意見を取り入れるよう練習してきました。
また、メンバー同士で円滑なコミュニケーションを取れるよう、練習以外でも食事会などを開催して、常にチームのことを考えることで、目標に少しでも近づけるように努力しておりました。
「向上心」の例文
私は常に前進するように、心掛けて行動しています。
学生時代、私は居酒屋でアルバイトをしていました。その店に外国のお客様が来店された際、自分が英語を話すことができなかったため、満足に接客することができず、とても悔しく感じた経験があります。
その後英語を本格的に学ぶことにし、目標をTOEIC730点と掲げ、英会話教室に通い勉強してきました。
勉強をしたことで、アルバイトでも外国のお客様に積極的に接客ができるようになっただけでなく、留学をするという新たな目標ができ、一年間かかりましたが自分でお金をためアメリカに留学しました。また帰国後、目標であったTOEIC730点も取ることができました。
「真面目」の例文
私の長所は真面目なところです。
大学では1日も休むことなく学校に通い勉強しており、毎日の復習も欠かさないようにしてきました。そのおかげで、試験ではいい成績を継続的に収めることができました。
またカフェでのアルバイトでは、新しい商品が出た時は、お客様に聞かれた際に完璧に説明できるよう、少し早めにアルバイト先に向かい、材料や調理法などをしっかり予習するようにしてきました。
その姿勢を評価され、アルバイトではリーダーという役職に任命されました。
<他にもよく選ばれるテーマ>
- 行動力がある、好奇心旺盛、活動的
- 責任感がある、諦めない
- 忍耐力がある、継続する力がある
- 計画性がある、 効率的
- 交友関係が広い、誰とでもすぐに打ち解ける、社交性がある
- 正確、細かいところまで気が利く
いろいろなテーマがありますが、応募している企業の業務内容に合わせて、その長所がどのように役立つのかアピールしましょう。
また例文のように、実際のエピソードを交えることで説得力が高まり、相手により伝わりやすくなりますので、しっかり自己分析をして、信ぴょう性を高める答え方を考えてみましょう。
先輩の声
自分の長所を探すのって、意外と苦労しますよね…。企業の求める人材像と、根拠として紹介できる自分のエピソードが、マッチするポイントを探すようにしましょう。また、ほぼ確実に聞かれる質問ですから、友人や先輩に聞いてもらうなど、万全の対策をしておきたいですね。
おわりに
いかがでしたか?長所の答え方の悩みは解消されましたか?
その場で説得力のある回答を考えるのは、難しいだけでなく、面接官にも、いい加減な印象を持たれかねません。面接の前に、より具体的に、伝わりやすい回答を考えておくのがよいでしょう。