新型コロナウイルスの影響により、採用活動の面接にWeb面接を導入する企業が増えました。Web面接は、自宅で行うことができ交通費がかからない利便性がある一方で、対面の面接と比べて、表情や仕草などが分かりづらく、結果として印象が伝わりづらい、というデメリットもあります。
この記事では、Web面接の事前準備から当日の流れ、マナー、注意点など、Web面接で失敗しないために知っておくべきポイントを解説していきます。
Web面接とは
Web面接の定義と特徴
Web面接とは、インターネットを利用してオンラインで行われる面接のことを指します。主にZoomやSkypeなどのWeb会議システムを使って実施されます。インターネット環境さえあれば、どこからでもアクセスが可能であり、スマホやパソコンのカメラを使って相手と顔を合わせながら会話ができます。オンラインならではの特徴として、移動の手間や費用がかからないため、日程調整がしやすいという利点があります。また、背景や服装、画面に映る部分の環境設定も重要なポイントとなります。
対面面接との違い
対面面接との大きな違いは、実際に会って行うのではなく、インターネットを介してオンラインで行う点です。インターネット環境が整っている場所であればどこからでも面接を行えますが、Web面接を行う場所は慎重に検討しましょう。インターネット環境が安定しているか、外部の音が入らない環境か、面接の内容が外に漏れないか、などを考慮して場所を選ぶと良いでしょう。
Web面接の事前準備
必要な機材とよく使われるツール
Web面接を受けるために必要な機材としては、パソコンやスマートフォン、タブレットが挙げられます。もし所有しているのであれば、音声や画像が安定し、画面も大きいパソコンを使用することをおすすめします。
スマートフォン、タブレットでも可能ですが、途中で倒れたりしないように、スタンドを用意しましょう。スタンドは、面接時に見下ろす形にならないように、高さが調節できるものが良いでしょう。
また、Webカメラとマイクは必須ですので、正常に動作していることを事前に確認しておきましょう。
面接官が指定するWeb会議ツールを事前にインストールし、動作確認を行っておくことも必要です。ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teams、Skypeなどが一般的に使用されるツールですので、これらのアプリケーションをインストールして、基本的な操作方法を理解しておくと安心です。
さらに、お互いの声を聞き取りやすくするために、マイク付きのイヤホンを用意しておく、途中で充電が切れることが無いように、面接中は充電器に繋いでおくのもおすすめです。
準備する機材 |
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・パソコン、スマートフォン、タブレット(パソコンを推奨) |
・スタンド(スマートフォン、タブレットの場合) |
・充電器(面接時はデバイスに接続しておくのを推奨) |
・マイク付きのイヤホン(推奨) |
・ライト(面接を行う場所で画面が暗くなる場合) |
Web面接でよく使われるツール |
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・Zoom |
・Google Meet |
・Microsoft Teams |
・Skype |
適切な環境を用意する
Web面接を行う環境は重要です。インターネットに接続できる環境で行うというのは当然ですが、できるだけ静かな場所を選んで、外部の騒音が入らないようにしましょう。また、背景にも気を遣ってください。散らかっている部屋は避け、清潔で整理整頓された場所を選びましょう。
Web会議ツールにはバーチャル背景が設定できる機能がありますので、それを利用するのも一つです。ただし、無地で、白やグレーなどの落ち着いた色の背景を選びましょう。背景をぼかす機能を利用するのもおすすめです。
照明も大切です。面接者の顔が暗くならないよう、自然光が入る窓の前で行うか、デスクライトを使って顔が明るく映るように調整します。カメラの角度は目線の高さに合わせるようにし、視線が自然にカメラに向くようにしてください。
基本的には、自宅で良いのですが、環境が整えられない場合は、個室のレンタルオフィスなども検討してみると良いでしょう。
服装と身だしなみは、対面面接と同様に整える
Web面接での服装や身だしなみは、対面面接と同様に整えて臨みましょう。
服装は、基本的にはスーツを着用しましょう。上半身しか映らないからといって、下半身は適当な格好をするのは避けるべきです。全体的にきちんとした服装を心がけてください。
また、身だしなみにも注意が必要です。髪型は整えて、男性ならひげをしっかりと剃ること、女性なら就活メイクを行っておくと良いでしょう。アクセサリーやネイルも控えめにし、清潔感を大事にすることが重要です。
機材、通信トラブル時の対処法を確認しておく
技術的な問題が発生した場合も想定し、対処法を確認しておきましょう。トラブルとして想定されるのは、インターネットが接続できない、接続が切れる、Web会議ツールにアクセスできない、その他にも、相手の声が聞こえにくかったり、自分の声が届いていない、など。
事前に対処方法を調べておき、自分で解決できるトラブルについては、すぐに対応できるように準備しておきましょう。自分で解決できないトラブルについては、企業に連絡しましょう。事前に連絡先を確認しておくと良いでしょう。
対面面接と同様に面接対策を行う
当然ですが、Web面接でも対面面接と同様に、自己紹介や志望動機、職務経歴について質問されます。それらの質問に対して、具体的なエピソードを交えて答えられるようにしっかりと準備しましょう。
Web面接特有の事前準備に気を取られすぎて、面接対策が疎かにならないように気を付けましょう。
Web面接当日の流れ
入室時間と初めの挨拶
Web面接の当日は、予定された開始時刻よりも早めに入室することをお勧めします。5分ぐらい前には、事前に確認したWeb面接ツール(例えば、ZoomやSkype)にログインし、音声やカメラの確認を行ってください。ギリギリに入室し、機材トラブルやツールが動かなかったりすると、慌ててしまい、気持ちが落ち着かず、面接が上手くいかない原因にもなります。
入室後の初めの挨拶では、しっかりとカメラ目線を意識し、面接官に対して明るい表情で「おはようございます」、「こんにちは」などの挨拶をしましょう。礼儀正しい初めの挨拶は、良い印象を与えるための第一歩です。
面接中の基本的なマナー
Web面接中の基本的なマナーとして、まずはカメラに向かって話すことを心掛けてください。対面面接と同様に、目線をキープすることが大切です。また、画面に映る自分の身だしなみや背景もきちんと整えるようにしましょう。
背景はできるだけシンプルで整理整頓された場所を選び、余計な物が映らないように工夫することが求められます。また、面接中にスマホや他のツールへの気を散らされないように、通知をオフにしておくと良いでしょう。
トラブル発生時の対処方法
Web面接中に技術的なトラブルが発生する可能性もあります。その場合は、まず落ち着いて状況を確認し、必要な対処を行いましょう。
例えば、音声が聞こえない場合は、イヤホンやマイクの接続を確認し、再接続を試みてください。また、インターネット接続の問題が発生した場合には、可能であれば有線接続を使用するか、別の場所に移動して再度接続を試みてください。
もしトラブルが解決しない場合は、面接官にチャット機能やメールで状況を説明し、再度面接の設定をお願いすることも一つの方法です。できるだけ冷静に対処し、Web面接をスムーズに進められるようにしましょう。
Web面接でのパフォーマンス向上のコツ
カメラ目線と表情の重要性
Web面接において、カメラ目線は非常に重要です。対面面接と違い、Web面接では画面越しにコミュニケーションをとるため、カメラ目線を意識することが面接官にしっかりとした印象を与えます。スマホやカメラの位置を目線の高さに合わせることで、自然にカメラを見つめることができます。
また、表情も豊かにすることが大切です。笑顔や真剣な表情を使い分けることで、自己表現が豊かになり、面接官に好印象を与えやすくなります。画面越しでは表情が分かりづらいので、いつもより少しだけ、表情を意識すると良いでしょう。
声のトーンと話す速度
Web面接では適切なジェスチャーも効果的です。画面越しのコミュニケーションでは、言葉だけでなく、手の動きや体全体のジェスチャーを使うことで、感情や意図をより伝えやすくなります。
ただし、大きすぎる動きや過度なジェスチャーは逆効果になるので注意が必要です。自然な範囲で手を使い、適度な動きを心がけましょう。
また、背景や画面内のスペースを考慮した動きが求められます。これにより、視覚的にも面接官に良い印象を与えることができます。
Web面接後の振り返りと次への改善点
Web面接後には必ず自分のパフォーマンスを振り返る時間を持ちましょう。まずは、スマホやカメラを使って自分の面接の様子をチェックすることをお勧めします。表情や話し方、声のトーンなどを再確認し、自分がどのように映っていたかを客観的に見ることが大切です。
次に、面接中の流れや質問された内容を振り返り、どの部分でうまく答えられたか、逆にどの部分で戸惑ったかを整理しましょう。この振り返りを通じて、次のWeb面接でどのように改善すべきか明確にすることができます。
例えば、特定の質問に対して回答が不十分だった場合、それについての知識を再度確認し、しっかりと準備しておきましょう。また、オンラインツールの使用に不慣れだった場合、次回までにツールの操作方法をもっと習熟しておくと良いでしょう。さらに、背景や画面の設定なども再確認し、整えることが次回の成功に繋がります。
このようにして1つ1つの点を改善しながら、次のWeb面接に向けて準備を進めることが大切です。自分の弱点を客観的に捉え、改善策を練ることで、より良い結果を生み出すことができます。