近年、ドラッグストア業界は、医薬品販売だけでなく、日用品や食品、化粧品まで幅広く取り扱うようになり、生活に欠かせない存在として成長を続けています。
高齢化社会の進展や健康意識の高まりを背景に、セルフメディケーションの重要性が増しており、ドラッグストア業界は今後も更なる市場拡大が見込まれています。
一方で、業界内では競争が激化しており、企業はM&Aや新規事業への参入など、様々な戦略を展開しています。
そんな中、ドラッグストア業界への就職を希望する方にとって、企業選びは重要なポイントです。そこで本記事では、以下の内容について解説します。
- ドラッグストア業界の就職ランキング
- 業界の現状と課題
- 今後の動向
- 企業の仕事内容
- 先輩の声
この記事を読めば、ドラッグストア業界への就職を成功させるための情報を得ることができます。
ドラッグストア業界就職ランキング
ここでは、ドラッグストア業界の売上から優れた企業について紹介していきます。
会社名 | 2023年売上高 (百万円) |
---|---|
ウエルシアホールディングス※1 | 1,217,339 |
ツルハホールディングス※2 | 1,027,462 |
マツキヨココカラ&カンパニー※3 | 1,022,531 |
コスモス薬品※4 | 964,989 |
スギホールディングス※5 | 744,477 |
※2 株式会社ツルハホールディングス 2024 年 5 月期決算説明会
※3 マツキヨココカラ&カンパニー[3088]:2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
※4 経営指標|IR情報|株式会社コスモス薬品
※5 スギホールディングス 2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
ウエルシアホールディングス
ウエルシアホールディングスは、業界トップクラスの規模を誇るドラッグストアチェーンです。
同社は、地域課題解決型の付加価値の高いサービス提供に強みを持っています。実際に同社の「生活のプラットフォームになる 〜専門総合店舗の実現〜」という理念※1からも見て取れるように、地域協働コミュニティスペース「ウエルカフェ」や移動販売車「うえたん号」など地域のコミュニティづくりに取り組んでいます。※2
また、ウエルシアホールディングスは、デジタル化にも積極的に取り組んでいます。スマートフォンアプリを通じた会員サービス※3の強化などテクノロジーを活用した顧客サービスの向上と業務効率化を進めています。
※1独自戦略|ウエルシア薬局 新卒採用サイト
※2 地域協働コミュニティスペース「ウエルカフェ」と移動販売車「うえたん号」が2024年グッドデザイン賞を受賞
※3ウエルシアグループアプリ
ツルハホールディングス
ツルハホールディングスは、北海道を中心に全国展開するドラッグストアチェーンです。
同社の強みは、7つもの薬局系のグループ会社を抱えており、全国的な展開を可能にしています。その中の、ツルハドラッグは23都道府県へ展開し、医薬品、健康食品、化粧品、医療機器などの多岐にわたる商品を取り扱っています。※
また、ツルハホールディングスは、健康サポート機能の強化にも力を入れています。薬剤師や登録販売者による健康相談サービスの充実や、健康診断結果に基づくアドバイス提供など、単なる物販にとどまらない付加価値の高いサービスを展開しています。※
マツキヨココカラ&カンパニー
マツキヨココカラ&カンパニーは、2021年にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合して誕生した新会社です。※1
同社の強みは、都市部を中心とした店舗網と、美容・健康分野における専門性の高さです。特に、化粧品や美容関連商品の品揃えが充実しており、若い女性を中心に高い支持を得ています。
また、インバウンド需要の取り込みにも積極的で、訪日外国人向けのサービス強化にも注力しています。
マツキヨココカラ&カンパニーは、デジタル戦略にも力を入れています。オンラインショップの強化やスマートフォンアプリを活用したO2O(Online to Offline)戦略の推進など、リアル店舗とデジタルの融合を図っています。
※1新会社は「マツキヨココカラ&カンパニー」 10月に発足
※2デジタルを活用した な新しい調剤のサービス「マツキヨココカラ Me」がスタートマツキヨココカラ公式アプリの調剤サービス刷新
コスモス薬品
コスモス薬品は、九州地方を中心に展開するディスカウントドラッグストアチェーンです。
同社の最大の特徴は、徹底した低価格戦略にあります。「毎日安い」をコンセプトに、日用品や食品を中心に競合他社よりも安い価格設定を実現しています。この戦略により、価格に敏感な消費者から強い支持を得ています。※1
また、コスモス薬品は効率的な店舗運営にも定評があります。大型店舗の出店や、自動発注システムの導入による在庫管理の効率化、パート・アルバイトスタッフの戦力化など、様々な施策により低コスト運営を実現しています。※2
※1西の王者、コスモス薬品「毎日安い」で関東攻略へ
※2会社を知る |株式会社コスモス薬品|採用サイト
スギホールディングス
スギホールディングスは、中部地方を中心に展開するドラッグストアチェーンです。
同社の強みは、調剤併設型ドラッグストアの展開と、地域密着型のサービス提供にあります。全店舗の一部で調剤薬局を併設しており、医療機関との連携を強化しています。また、かかりつけ薬局としての機能を充実させ、地域住民の健康サポートに力を入れています。※1
スギホールディングスは、デジタル化にも積極的に取り組んでいます。電子お薬手帳の導入や、オンライン服薬指導の実施など、テクノロジーを活用した顧客サービスの向上を図っています。※2
※1 マネジメントメッセージ|トップメッセージ|会社情報|スギホールディングス
※2 スギホールディングス|統合報告書2022
ドラッグストア業界が抱える課題
ドラッグストア業界は、医薬品、化粧品、日用品、食品などを販売する小売業です。
近年では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットとの競争激化、専門知識を持つ人材の不足、医薬品販売に関する規制の強化など、様々な課題に直面しています。
これらの課題を克服し、持続的な成長を遂げるためには、ドラッグストア業界は、変化する市場環境に対応し、顧客ニーズを捉えた戦略を展開していく必要があります。
具体的には、以下の3つの課題が挙げられます。
- コンビニなどの競合との競争激化
- 専門知識を持つ人材不足
- 医薬品の販売に関する規制強化
1. コンビニなどの競合との競争激化
ドラッグストア業界は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、他の小売業との競争が激化しています。
コンビニは、医薬品や日用品など、ドラッグストアと同様の商品を販売するようになり、顧客を奪い合っています。また、スーパーマーケットは、食品だけでなく、医薬品や化粧品なども販売するようになり、ドラッグストアの顧客を奪っています。
これらの競合との競争に勝ち抜くためには、ドラッグストアは、価格競争だけでなく、品揃えの充実やサービスの向上など、顧客に選ばれるための差別化を図る必要があります。
2. 専門知識を持つ人材不足
ドラッグストア業界では、薬剤師や登録販売者など、専門知識を持つ人材が不足しています。
薬剤師は、医薬品の販売だけでなく、服薬指導や健康相談など、顧客の健康をサポートする役割を担っています。しかし、薬剤師の数は限られており、すべてのドラッグストアで十分な人数を確保することが難しい状況です。
また、登録販売者は、一般用医薬品の販売を行うことができますが、薬剤師に比べて専門知識が限られています。そのため、登録販売者だけでは、顧客のニーズに十分に対応できない場合があります。
専門知識を持つ人材を確保するためには、
- 従業員の教育体制の強化
- 働きやすい労働環境の整備
- 処遇改善
などに取り組む必要があります。
3. 医薬品の販売に関する規制が強化
医薬品の販売に関する規制が強化されていることも、ドラッグストア業界にとって大きな課題です。
2024年6月には、医薬品医療機器等法が改正され、インターネットでの医薬品販売に関する規制が強化されました。これにより、ドラッグストアは、オンラインストアでの医薬品販売において、より厳格なルールを遵守する必要があります。
また、医薬品の広告規制も強化されており、ドラッグストアは、広告表現に注意する必要があります。
ドラッグストア業界は、競争激化、人材不足、規制強化など、様々な課題に直面していますが、同時に、高齢化社会の進展や健康意識の高まりなど、成長を後押しする要因も存在します。
ドラッグストア業界の今後の動向
今後のドラッグストア業界は、これらの課題を克服し、機会を活かすことで、新たなステージへと進んでいくと考えられます。
具体的には、以下の3つの動向が予想されます。
- デジタル化の加速
- 健康サポート機能の強化
- 地域社会への貢献
1. デジタル化の加速
ドラッグストア業界では、デジタル化が加速していくと考えられます。
- オンラインストアの強化
- AIを活用した顧客サービスの提供
- 店舗運営の効率化など
デジタル技術の活用は、ドラッグストアの競争力強化に不可欠です。
例えば、オンラインストアでは、医薬品や日用品だけでなく、健康食品やサプリメントなど、幅広い商品を販売することができます。
また、AIを活用することで、顧客一人ひとりに合わせた商品提案や健康アドバイスを行うことができます。さらに、店舗運営の効率化には、在庫管理システムやレジシステムなどの導入が有効です。
デジタル化を推進することで、ドラッグストアは、顧客満足度向上、業務効率化、コスト削減などを実現することができます。
2. 健康サポート機能の強化
ドラッグストアは、医薬品販売だけでなく、健康相談や健康セミナーの実施など、顧客の健康をサポートする機能を強化していくと考えられます。
高齢化社会の進展に伴い、健康に対する意識が高まっています。
ドラッグストアは、薬剤師や登録販売者などの専門知識を持つ人材を活かし、顧客の健康増進に貢献することで、地域社会における存在感を高めることができます。
3. 地域社会への貢献
ドラッグストアは、地域社会への貢献を強化していくと考えられます。
高齢者の見守り、地域イベントへの参加、災害時の支援など、地域住民の生活を支える活動を通じて、ドラッグストアは、地域に根差した存在となることができます。
高齢化が進む中、ドラッグストアは、地域住民の健康を守る拠点としての役割を担うことが期待されています。
ドラッグストア企業の仕事内容
ここでは、ドラッグストア企業の仕事内容について解説していきます。具体的には以下のような職種がドラッグストア業界には存在します。
- 接客、商品管理
- 登録販売者
- 薬剤師
接客、商品管理
ドラッグストアでの仕事はレジなどの接客や、商品管理が主になってきます。
商品管理では、新商品の売場を作ったり、売場から売り切れてしまった商品をバックルームから補充したり、在庫が無ければ発注するなど細かい仕事がたくさんあります。
もちろん店内を清潔に保ったり、お客様からの質問に答えたりといった基本の作客業も多く存在しています。
薬剤師以外ではしっかり薬の効能を説明することは難しいとは思いますが、リピーターをつけるため、商品に関する知識はしっかりと説明できるよう常に勉強が必要となってくるでしょう。
登録販売者
薬剤師のように処方箋が必要な薬剤の調剤や販売はできませんが、一般医薬品である第2類と第3類を販売する際に必要な資格です。
一般医療品の多くが第2類ということもあり、ドラッグストアでは必ず登録販売者を置くことが法律で義務付けられています。
登録販売者は、薬剤師までとはいきませんが、薬に関するスペシャリストとして一般の接客よりもさらに高い知識を持った接客ができます。
実務経験不問で、試験に合格してから各都道府県に対して申請を行うことで取得できる資格でもあります。
薬剤師
お客様が持ってきた処方箋に従い、調剤と服薬に関する指導を行う薬のスペシャリストです。
給与は資格が必要なため比較的高いことが多く、パートだと時給で1500~2000円ほど、さらに正社員だと平均年収が520万円と高くなっています。
先輩の声
身近な存在のドラッグストアも、現在は転換期にあるようですね。
このような業界を受ける就活生は、面接などで、自分が変革を起こせる人材だということを、積極的にアピールしていくと企業の受けが良さそうですね!
おわりに
いかがでしたか?
医療品だけではなく、食品など、さまざまなものが求められてきているドラッグストア業界。
高齢化社会を迎える今後は課題が増えていきそうですが、需要が高まるなど規模は広がり続けていきそうです。
また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアとは差別化を図った展開が期待していけると思います。