化学メーカーの仕事内容とは?業界の動向と今後の課題

2018.10.29企業研究・業界研究
化学メーカーの仕事内容とは?業界の動向と今後の課題

サランラップやプラスチック製品など、石油化学製品と呼ばれている商品を生み出している化学メーカー。私たちの生活に欠かすことができない商品もあることから、なくてはならない業界です。そこで今回は、化学メーカーの動向や成長戦略など詳しくご紹介します。化学メーカーは人気の就職先であることから、学生に知っておいてほしい仕事内容もご紹介します。

化学業界の動向とは?

化学業界の動向とは?

化学メーカーは、日々の暮らしの中のほとんどの製品に関わっています。

そんな化学業界ですが、製品づくりや研究・開発に必要な原材料の価格次第で経営が圧迫されたり利益率が良くなったりなど、原材料価格に大きく左右される業界でもあります。

例えば、多くの化学メーカーが使用している石油が高騰すれば原材料が高くなるため利益率は下がり経営が苦しくなります。実際に平成20年は原油高が高騰したことから、石油を原料にしていた多くの化学メーカーの利益率は大幅に下がりました。また、金融危機などの影響も加わり平成21年は化学メーカーのほとんどが前年度の売上高を下回る状況に陥りました。しかし、近年の石油価格の下落や景気が上向きになった背景から、化学業界の売上高は回復傾向にあります。

今後の課題

さらに業績を伸ばすための課題は、価格競争の影響から低価格に打ち出されてしまった製品づくりの縮小です。これらの製品は、利益率が低く業績を圧迫させる要因にもなります。

そのため新製品の研究・開発にも注力し、あらたな事業の開拓をおこなっていくことも必要とされるでしょう。

成長戦略

製品づくりに欠かせないものは「原材料」です。原材料の価格は利益率や営業成績に直結し、化学業界全体の業績にも影響します。また、円高や円安も利益率に大きく影響します。これらの影響は、自分たちだけでは太刀打ちできないこともあるので、会社の戦略として他社との合併や子会社化がおこなわれることがあります。

現に大手化学メーカーの(株)三菱ケミカルホールディングスは、合成繊維・合成樹脂のメーカーであった三菱レイヨン(株)を子会社化させたり、他社と合併させたりして、成長を遂げています。

このように、合併や子会社化することでそれぞれの強みを活かし強固な企業へと成長していくことも重要とされます。

化学業界の主な企業

化学業界の主な企業

株式会社三菱ケミカルホールディングス

東京都千代田区に本社のある三菱ケミカルホールディングスは、2005年に設立し現在の従業人数は連結会社も含めると約69,000名です。

三菱ケミカルホールディングスの売上高は、平成27~28年度3兆8,230億円で化学業界の中で第1位となっています。主な事業は、機能商品、素材、ヘルスケアの3つです。光化学フィルムや繊維製品、医薬品や医療機器などの製品を手掛けています。

住友化学株式会社

東京と大阪に本社を構えている住友化学は、創業1913年で長い歴史がある化学メーカーです。平成27~28年度の売上高は、2兆1,018億円で、化学業界の中で第2位となっています。連結子会社は178社にのぼり、従業員人数は約31,000名です。

住友化学の事業内容は、石油部門、エネルギー・機能材料部門、情報電子部門、医薬品部門などがあり、多岐に渡った事業展開をおこなっています。また、各部門の研究所があることから研究・開発にも力を入れ、さまざまな業界にも新たな製品を投入するなど活躍の場を広げている化学メーカーです。

三井化学株式会社

東京都港区に本社がある三井化学は、1997年に創立され国内に3つの支店と5つの工場をもっています。従業員人数は約17,000名で、三菱ケミカルホールディングスや住友化学に比べると規模は小さい化学メーカーです。

しかし、平成27~28年度の売上高は1兆3,438億円で化学業界の中で第3位という業績となっています。事業内容は、ヘルスケア事業、モビリティ事業、フード・パッケージ事業、基盤素材事業など多岐に渡って事業を展開しています。

化学メーカーの仕事内容

研究・開発

研究・開発職は、新たな技術開発をおこなったり、既存の技術を応用して製品を生み出すことが主な仕事です。研究・開発職では、その事業の専門知識が必要とされます。将来、研究・開発職を希望する場合は、学生のうちから専門知識を身に付けておくことが大切ですね。

生産技術

生産技術職は、製品をスムーズに生産するにはどうすればいいか、より効率的に生産するにはどうしたらいいかなど、生産に関わる仕事をおこないます。コストを抑え大量生産が可能であれば、業績もよくなるため、生産技術の仕事は経営部分にも関わる重要な仕事です。

品質管理

品質管理職は、製品の品質をチェックすることが主な仕事です。細かな注意をはらって生産した製品であったとしても、不良品と呼ばれる製品は出てしまうものです。その不良品が多ければ多いほど消費者の企業に対する信用度は落ちます。そのような事態にならないように、製品の品質保証を正確におこない、不良品を世に出さないことが求められる仕事です。

先輩の声

化学メーカーというと理系のイメージが強いですが、文系でも営業などで募集があります。海外売上比率の高い企業も多いので、文系の学生でも語学力や海外経験などの強みを活かして活躍できる可能性は十分あると思います。多くの人々の生活を支えるやりがいのある仕事に加え、福利厚生や待遇が良いため、人気の業界と言えます。

まとめ

世の中のあらゆる製品に関わる化学業界。日本の化学業界は世界も認めるほど技術力が高いといわれています。その根源となっているのが、化学メーカーの研究と開発です。原油価格の下降や景気回復傾向の影響で、化学業界の売上高は一時の低迷期を脱出し現在は横ばい状態が続いています。

化学メーカーに就職を希望している学生は、今後の動向や手掛けている事業にも注目しながら、企業研究をおこなうといいですね。

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