製薬業界に就職!現状と仕事内容を理解しよう

2018.10.29企業研究・業界研究
製薬業界に就職!現状と仕事内容を理解しよう

医薬品の製造をおこなっている「製薬業界」。高齢化が進み病院へ通院する人が増加しているため、医師の指示のもとで出される点滴などの投薬や処方薬も増えています。また、新薬の研究や開発も進んでおり、製薬メーカーへの就職を希望する就活生もいるでしょう。

そこで今回は、製薬業界の現状や動向をまとめてみました。

製薬業界の動向とは?

製薬業界の動向とは?

医薬品の販売が売上高の90%を占めている製薬メーカー。高齢化社会になり国の医療費が大幅に上昇している現在、医療費を抑制しようと政府は躍起になっています。医療費抑制策の一環として政府は、後発医薬品で安価なジェネリック医薬品の使用促進のために取り組みを実施。製薬メーカーは新薬や通常の医薬品が処方されることで、高い売上高を維持してきましたが、現在厳しい状況となっています。

また、疾患に有効な新薬をひとつでも開発できれば10年は安泰と言われていた製薬メーカーですが、現在は新薬の開発に苦戦している製薬メーカーがほとんどです。苦戦している理由のひとつに「新薬の研究・開発に何百億円という膨大な資金が必要」であることが挙げられます。資金力が少ない製薬メーカーでは新薬の開発に取り組むことが難しく、一方でジェネリック医薬品はどの製薬メーカーでも製造できるため価格競争が激しくなっています。

このように厳しい状況にある製薬業界なので、多くの製薬メーカーが国内・海外の製薬メーカーなどと合併・再編・買収をおこない、資金力を強化しながら新薬の研究・開発に注力しています。

苦戦している製薬業界ですが、調味料で有名な味の素が新規参入事業として製薬部門を設けはじめ、新しい動きも見せています。製薬メーカーの努力のもと、低い水準ではありますが売上高を伸ばしているようです。しかし、再編や合併などを盛んにおこなっているかたわら、海外の大手製薬メーカーでは早期退職希望者を募ったりリストラをおこない人件費の削減をすすめているという話もあります。

国内では問題になっている高齢化社会による医療費負担の増額は今後ますます増えると予測されているため、収益性の少ないジェネリック医薬品が主流となり、製薬メーカーはさらに厳しい時代へ突入する可能性があります。そのため、今後の課題としては、収益性の高い新薬の研究と開発に力を入れ、ひとつでも多くの新薬を製造することが挙げられるでしょう。

製薬業界の主な企業・メーカー

製薬業界の主な企業・メーカー

製薬業界の動向がわかったところで主な製薬メーカーを3社ご紹介します。

武田薬品

1781年創業の「武田薬品」は、230年以上も続く歴史ある製薬メーカーです。子会社も含め海外にも事業所を展開し、グローバル企業としても発展しています。

武田薬品の平成27~28年度の売上高は1兆7,700億円で製薬業界の中で第1位となっており、日本を代表する製薬メーカーでもあります。

アステラス製薬

1923年創業の「アステラス製薬」は、山之内製薬と藤沢製薬との合併により誕生した製薬メーカー。海外で使われている抗がん剤や膀胱系の治療薬を日本で販売することをメインに、国内では新薬の研究・開発にも力を入れ医薬品の製造・販売をおこなっています。

アステラス製薬の平成27~28年度の売上高は1兆3,000億円で、製薬業界の中で第2位となっています。

第一三共

2005年に三共株式会社と第一製薬株式会社が共同持ち株会社として設立した「第一三共」は、武田薬品同様に国内だけでなく海外にも拠点を持つグローバル企業。抗がん剤をはじめ、がん治療に特化した医薬品の製造を強みとしている製薬メーカーでもあります。

第一三共の平成27~28年度の売上高は9,602億円で、製薬業界の中で第3位となっています。

製薬業界で働く人の仕事内容

製薬業界は医薬品の製造・販売を行っている業界ですが、実際の仕事内容を知っている人は少ないのではないでしょうか。製薬メーカーには次のような仕事があります。

研究・開発

製薬業界の研究・開発の仕事内容は、医薬品がどのように作用するのか安全性や有効性などを確かめるための臨床試験などをおこなうこと。また、新薬の研究・開発も仕事とされています。

生産

生産は、医薬品を生産するにあたってすべての工程で品質や工程管理などをおこなうことが主な仕事です。

営業

製薬メーカーの営業はMRとも呼ばれており、医療情報提供者となります。医療機関に訪問し、医師や薬剤師に医薬品の説明や情報提供をおこなうことが主な仕事内容です。また、医薬品の情報収集することもMRの仕事とされています。

先輩の声

業界の動向としては厳しい状況ですが、製薬業界は人々の健康を支え、命を救う、大変やりがいを感じることのできる業界です。また、製薬会社では、薬学部の学生だけでなく、文系の学生も営業職として募集しているので、選択肢の一つとして検討しても良いでしょう。

おわりに

高齢化社会の日本において国が負担する医療費は膨大な額となり、政府は対策として安価なジェネリック医薬品の使用を促進。そのため、製薬メーカーは収益性が低くなり厳しい時代を送っています。

しかしながら、医療において製薬メーカーはなくてはならない存在なので、注目は集まっている現状です。今後も高齢化は続くと予想されていますので、製薬業界に就職を希望している就活生は動向をじっくり観察する必要があるでしょう。

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