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【業界研究】リサーチ業界の企業ランキング|将来性や仕事内容も解説。

企業研究・業界研究
リサーチ業界の現状と最新動向をチェック!就活の業界研究

リサーチ業界は、市場動向や消費者行動、製品の需要などを調査・分析を実施し企業のマーケティング戦略や商品開発に役立つ情報を提供する業界です。

リサーチ業界に就職するにも、リサーチャーや営業、アナリスト等のさまざまな職種が存在し事前に業界研究をしなければ入社後に後悔する可能性もあります。

そこで本記事では、リサーチ業界での就職を目指す方々へ向けて、下記の内容について解説していきます。

  • リサーチ業界の企業ランキング
  • リサーチ業界の業務内容
  • リサーチ業界の将来性

リサーチ業界の前提知識

ここではリサーチ業界の前提知識と直近の動向について解説していきます。

リサーチ業界とは?

リサーチ業界は、市場調査業界やマーケティングリサーチ業界とも言われ、各企業に対して目的に合わせたデータ収集や分析を担っています。企業によってはデータ分析だけでなく経営までのコンサルティングを行なっている会社もあります。

近年は多くの業界で、消費者の細分化するニーズに合わせて、次々とトレンドが入れ替わる傾向があり、リサーチはマーケティングにおいて重要な手段として、さまざまな企業の経営や事業戦略、商品開発を支えています。

リサーチ業界の動向

日経新聞からの情報によると、2022年度の国内の推定市場規模は、前年度比9.9%増の2,529億円となっています。2020年以降のコロナ禍以降はマイナスになっていた業界自体も、コロナが落ち着く中で業績が回復してきていると言えます。

近年はモバイル端末の普及により、インターネット経由でのリサーチ需要が増加しているため、リサーチ単価の低下が課題となっているものの、リサーチ件数は増加しており、市場規模は順調に推移しています。

▼関連記事(外部リンク)
リサーチ・調査業界 市場規模・動向や企業情報』(NIKKEI COMPASS)2024年

リサーチ業界の今後と将来性

リサーチ業界は、トレンドの移り変わりが激しい近年のマーケティングにおいて重要な役割を担っています。国内外の市場規模は拡大傾向にあります。特にインターネット経由でのリサーチ方法が伸びている一方で、リサーチ価格の低下や、リサーチャーの不足が課題となっています。

国内のインターネットリサーチでは、質問数と比例して料金が設定される形式が一般的なため、1つの質問に多量の情報をつめ込むことで、回答率が下がっているという現状があります。質の良いサンプリングが行えないことが、リサーチ価格を低下させる原因の1つにもなっているようで、業界全体で解決しなければならない課題と言えるでしょう。

リサーチ業界の主要企業ランキング

マーケティングリサーチ業界は、市場や消費者に関するデータ収集・分析を行い、企業の意思決定を支援する重要な役割を担っています。近年、デジタル化やグローバル化の進展により、市場環境は変化を続けており、企業はより精度の高いデータ分析に基づいた経営戦略の策定が求められています。

各企業に関する情報を下記のテーブルにまとめましたので参考にご覧ください。

順位企業名売上高(億円)特徴
1位ニールセン・ホールディングス1202億円(2023年時点)世界最大級の調査会社。消費者調査、小売店調査、メディア調査など幅広いサービスを提供。
2位株式会社インテージホールディング約613億円(2023年時点)日本のマーケティングリサーチ業界トップ企業。消費者の購買行動分析、市場調査、広告効果測定など。
3位株式会社マクロミル約406億円(2023年時点)インターネット調査に強みを持つ。アンケートモニター約150万人保有。
4位クロスマーケティング約249億円(2023年時点)デジタルマーケティングに強みを持つ。データ分析、CRM、Webサイト解析など。
5位株式会社ビデオリサーチ約232億円(2021年時点)テレビ視聴率調査で有名。テレビCMの効果測定など。
6位サーベイリサーチセンター約103億円(2023年時点)政府系調査機関として設立。社会調査、世論調査、政策評価など。
7位日経リサーチ約63億円(2023年時点)日経新聞社グループ。経営戦略コンサルティング、市場調査、顧客満足度調査など。
8位Ipsos日本統計調査約40億円(2021年時点)世界的な調査会社Ipsosグループ傘下。市場調査、社会調査、顧客満足度調査など。
9位ジャパン・カンターリサーチ約24億円世界的な調査会社WPPグループ傘下。ブランド調査、顧客体験調査、新商品開発支援など。
10位日本リサーチセンター約18億円(2023年時点)日本の老舗調査会社。消費者調査、市場調査、企業調査など。
引用元
東洋経済オンライン 2023年度 売上高ランキング
各種企業の財務資料

さらに以下では、企業の詳細について解説していきます。

1位|ニールセン・ホールディングス

「ニールセン」は、1923年にオランダで生まれ、今では世界一のシェア率を持つアメリカの企業です。日本では1965年に「ニーセン・カンパニー合同会社」としてスタートし、購買や視聴行動のデータを分析する部門を立ち上げました。

現状、日本市場では最も売上高が大きい企業です。1202億円にものぼり圧倒的な強さを誇っています。

「ニールセン」の特徴は、世界最大級の調査会社で、消費者調査や小売店調査、メディア調査など、いろんなサービスを提供しています。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:データ分析力、コミュニケーション能力、グローバルな視点

2位|株式会社インテージホールディング

「インテージ」は、1960年に創業され、2023年には連結売上高が613億円に達し、日本の企業の中で世界10位に位置する大企業です。なんと、25期連続で売り上げが増え続けており、業績は非常に安定しています。

この会社は「パネル調査」を得意としています。具体的には、消費者や小売店などを対象とした全国規模の調査や、カスタムリサーチなどのサービスを提供しています。業界も幅広く、消費財や耐久消費財、サービス業、そして官公庁など、65以上の分野において、5,000社以上との取引実績があります。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、コンサルティングなど
  • 求める人物像:マーケティング知識、問題解決能力、プレゼンテーション能力

3位|株式会社マクロミル

2000年に創業した「マクロミル」は、日本のマーケティングリサーチ企業で、2023年の連結売上高は約約406億円です。2018時点ではアメリカやアジアを中心に16カ国45拠点に展開しており、90カ国の4,000社と年間3万5000件の取引をおこなっています。

マクロミルグループは「アドホック調査」を得意としており、ITを活用したマーケティングリサーチの方法やソリューションを40種類以上保有しています。また、回答者となるパネル数は自社で約120万人、国内提携会社を含めると1,000万人以上となる独自のネットワークを構築しており、幅広いマーケティングデータが提供できる点が強みです。

  • 仕事内容:インターネット調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:ITスキル、データ分析力、コミュニケーション能力

4位|クロスマーケティング

グループ親会社のクロス・マーケティンググループは東証プライム市場に上場しております。 創業20年、年間調査実績10000件以上、産官学における豊富なリサーチ実績を保有しています。推定249億円(2023年時点)の売上高を誇っています。

日本マーケティング・リサーチ協会、日本マーケティング協会、データサイエンティスト協会、日本行動計量学会に参加しており、プロフェッショナルとして、知見を広める努力を続けています。

  • 仕事内容:データ分析、コンサルティング、Webサイト解析など
  • 求める人物像:ITスキル、データ分析力、マーケティング知識

5位|株式会社ビデオリサーチ

株式会社ビデオリサーチは、日本国内で唯一テレビ視聴率データを提供する調査機関として1962年に設立された企業です。売上高は約232億円に上ります。

主に、日本国内におけるテレビ視聴率調査をはじめとした各種メディアデータやマーケティングデータを強みとして持っています。

  • 仕事内容:視聴率調査、データ分析、コンサルティングなど
  • 求める人物像:統計学知識、データ分析力、論理的思考力

6位|サーベイリサーチセンター

世論調査や都市交通調査、マーケティングリサーチの3つを主な強みとしたリサーチ会社です。他の企業と異なり、政府系調査機関として設立した過去があります。

売上高は1,262億円にも上り、業界トップレベルのリサーチ会社です。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:社会問題への関心、統計学知識、分析力

7位|日経リサーチ

日経新聞社グループの経営戦略コンサルティング会社で市場調査、顧客満足度調査などを得意としたリサーチ会社です。65カ国を超える海外実績も保有しており、グローバルに活動する企業です。

最適な手法・設計・調査内容・分析方法等をご提案し、効率的で信頼性の高いデータから、最新のデータアナリシス、コンサルティングまで、ワンストップでご提供している点が特徴です。

また、日経リサーチでは、日本経済新聞社をはじめとしたグループ会社と連携することで、より高い品質のリサーチが可能となっています。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、コンサルティングなど
  • 求める人物像:経営学知識、分析力、コンサルティングスキル

8位|Ipsos日本統計調査

世界的な調査会社Ipsosグループ傘下にある日本法人です。市場調査、社会調査、顧客満足度調査などを強みとしています。推定40億円(2021年時点)の売上高を誇っています。

イプソスのチームは専門的なサービスを幅広く提供しており、正確で関連性の高い情報を提供することで、どのマーケットでも一貫性のある的確な意思決定できるような支援を行っています。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:社会問題への関心、統計学知識、分析力

9位|ジャパン・カンターリサーチ

カンター・グループ傘下の各社は、例えば需要予測・コマーシャル関連リサーチ等、それぞれの分野で強みを持っています。

これらをひとつの会社に統合することにより、顧客企業にとっては、マーケティングの支援を一気通貫して実行することができます。

具体的には、マーケティング・リサーチ、広告 / コンセプト・テスティング、ブランド戦略コンサルティング、オンラインパネル調査などを業務としています。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:マーケティング知識、分析力、コミュニケーション能力

10位|日本リサーチセンター

日本の老舗調査会社。売上高は843億円に上ります。消費者調査、市場調査、企業調査等のtoBでのマーケティングリサーチを行う企業です。その他、社会経済動向等のリサーチ等を行うこともあります。

  • 仕事内容:調査企画、データ収集・分析、レポート作成など
  • 求める人物像:マーケティング知識、分析力、コミュニケーション能力

リサーチ業界で働く人の職種

リサーチ業界には主に3つの職種があります。それが下記の3点目です。

  • 職種①|リサーチャー
  • 職種②|アナリスト
  • 職種③|営業職

それぞれ業務内容について詳細に見ていきましょう。

職種①|リサーチャー

マーケティングリサーチャーとも言われ、顧客企業の経営や事業戦略、商品開発などのマーケティング課題に対して、解決するために必要なリサーチ内容を検討し実施します。

幅広い業界が顧客となるため、トレンドやニーズの把握にとどまらず、ITを活用して問題解決するスキルも求められます。ヒット商品を生み出す手助けをすることもできるでしょう。

職種②|アナリスト

主な仕事内容はリサーチャーがリサーチしたデータ解析をすることで、企業によってはリサーチャーが兼任することもあります。

モデリング解析、リサーチしたデータを論理的に報告書にまとめ、顧客企業の経営や事業戦略、商品開発などのマーケティング課題の解決を目指します。各業界の知見や数学的スキル、分析スキルが求められます。

職種③|営業職

主な仕事内容は、顧客企業の経営やマーケティングの課題を把握し、解決策を提案することです。

課題に対して施策を実施し検証をおこない、新たな課題へ対してアプローチすることで、長期的に経営に寄りそうことができるやりがいがある仕事です。

リサーチ業界の業務の種類

ここでは、リサーチ業界での仕事の種類について詳しく見ていきましょう。

STEP①|市場調査

市場調査は、リサーチ業界で最も基本的な仕事の一つです。主な内容として市場全体や特定の業界について調査し、競合他社や消費者のニーズ、トレンドなどを分析します。

具体的な業務内容としては、以下のようなものが挙げられます。市場調査の結果は、企業のマーケティング戦略や新商品の開発に大きな影響を与えます。

  • アンケート調査の実施
  • データの収集と分析
  • 市場レポートの作成

主なリサーチ方法は、下記の2点にまとめることができます。

  • 単発の「アドホック調査」
  • 継続的におこなう「パネル調査」

従来はアンケートやインタビューなどの「サンプリング調査」や、統計やデータベース分析などの「デスク調査」が主流でしたが、2010年以降にはビッグデータを活用したリサーチ方法も取り入れられています。

STEP②|商品やサービスの企画・開発

市場調査の結果をもとに、商品やサービスの企画・開発が行われます。ここでは、市場のニーズやトレンドを踏まえながら、新商品やサービスのアイデアを考案し、それを具体化するための計画を立てます。また、既存商品やサービスの改善も行われます。

この段階では、クライアント企業のマーケティングチームやプロダクト開発チームと密に連携し、市場の要求に応える魅力的な商品やサービスを提案します。

STEP③|導入後の市場調査

商品やサービスが市場に導入された後も、リサーチ業界の仕事は終わりません。また、この部分の仕事がもっとも需要があると言えます。

導入後の市場調査では、下記のような点を調査し、企業に結果を数値に基づき報告します。。

  • 商品やサービスの受け入れ状況
  • 顧客満足度
  • 競合他社の動向

また、経営コンサルティングも行う企業であれば、マーケットトレンドの変化や新たな機会にも敏感に対応し、戦略の修正や新たなアプローチの検討の提案を行うこともあります。

先輩の声

戦略立案の重要なポイントの1つになるのがリサーチであり、企業の判断に大きく関わることができる点にとてもやりがいを感じています。この業界ではデータを設計するだけでなく、そのデータが示す意味も深く考察する必要があるので、ロジカルシンキングが得意だと就活の際も有利になるので、しっかりと対策をしておくと良いでしょう。

おわりに

インターネットの浸透で、近年のリサーチ業界はリサーチ方法に変化がみられています。課題となっているリサーチ価格の低下や人材不足などを解決し、ビッグデータやAIを活用したデータ収集や分析方法を確立することで、今後も伸びる業界と言えるでしょう。リサーチ業界に就職を希望している方は、業界や各企業の動向をリサーチし分析しておきましょう。

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