時計業界の将来性は?今後の業界の動きについて

2019.06.20企業研究・業界研究
時計業界の将来性は?今後の業界の動きについて

世界情勢やスマートフォンなどの台頭により、業績が低迷していた時計業界ですが、近年は回復傾向で、今後の動向が注目されています。今回は、時計業界の動向課題、成長戦略などを詳しく解説していきます。時計業界の将来性や動向を知りたい就活生は、ぜひ参考にしてください。

時計業界の動向とは?

近年の時計業界は、リーマンショックや世界経済の低迷などの影響、スマートフォンの普及により業績が低迷していました。時計業界の売上高に貢献している主な商品は「腕時計」ですが、生活必需品ではないため、売上高は景気に左右されやすい業界です。

国外メーカーは、生き残りを図るために買収を重ね、グループ化する流れが進んでいます。世界の三大巨頭と言われる「スウォッチ」「リシュモン」「LVMH」は、3社で各グループとなっており、それぞれの傘下に高級腕時計ブランドの「オメガ」「オーデマ・ピゲ」「ブルガリ」など多くのブランドを保有している現状があります。

一方国内メーカーは、買収やグループ化が活発ではなく、各メーカーがそれぞれの強みを活かした時計製品を生み出し業績を伸ばしています。日本の三大巨頭は「シチズン」「セイコー」「カシオ」となっており、3社で90%以上のシェアを占めています。

景気回復と共に時計業界の業績も回復傾向にありますが、国内需要に伸び悩みが見受けられます。しかし、高い技術力で作られる高精度で高品質な日本メーカーの腕時計は、国外でも人気となっていることから、国外に向けて販路を開拓するなど、戦略しだいでは将来性のある業界として動向が注目されています。

今後の課題

国内需要が伸び悩んでいる背景はさまざまですが、1つの要因としてスマートフォンの普及が挙げられます。スマートフォンを持ち歩くことで時刻の確認もできるため、腕時計の需要低下に影響しています。

また、アップル社が発売した「アップルウォッチ」は、腕時計でありながら通話やメールができ、音楽も楽しめるなど、さまざまな機能を搭載することで腕時計の概念を変えました。各メーカーは、消費者のトレンドを把握した新商品を生み出すことが、今後の課題と言えるでしょう。

成長戦略

日本メーカーの腕時計は、高い技術力が評価され国外でも人気です。国内需要が伸び悩んでいる昨今、各メーカーは国外進出を展開しようとしています。従来の欧米に加えて、中国をはじめとするアジア圏への進出が期待されています。成長戦略として、国外に販路を見出し拡大していくことで、時計業界の業績が伸びると予想されています。

時計業界の主な企業

シチズン時計株式会社

「シチズン」は、前身の尚工舎時計研究所の創業から、100年以上の歴史を持つ国内メーカーです。懐中時計の開発から始まった同社は、今では国内の時計業界を牽引する大手企業になりました。

「Quality(品質の良いものを)&Quantity(より多くの人へ)」のコンセプトで開発された「Q&Q」シリーズは、高品質でありながら低価格。さらには環境に優しいソーラー電源時計や電波時計を中心としたラインナップで、国内外で人気となっています。積極的にグローバル化にも取り組んでおり、今後も国外に向けた製品を広く打ち出していくでしょう。

セイコーホールディングス株式会社

1881年に創業した「セイコー」は、GPSソーラーのクオーツ式腕時計「セイコーアストロン」を世界で初めて開発し、世に出した時計メーカーです。現在では主流となったGPSソーラー時計だけでなく、高品質で低価格の商品から自社ブランドの高級腕時計まで、幅広く取り扱っています。2018年3月期連結の売上高は2,685億円です。

カシオ計算機株式会社

1957年に創業した「カシオ」は、計算機の開発から始まったメーカーです。1960年代から国外進出をはじめ、1974年に世界初のオートカレンダーを搭載した「カシオトロン」の発売をきっかけに、時計業界へ参入しました。

計算機や時計のほか、電子楽器・携帯電話・電子辞書・カメラなどさまざまな製品の製造を行っています。売上高は3,147億9,000万円です。

時計業界で働く人の仕事内容

エンジニア

エンジニアの仕事は、製品開発・設計・商品企画・デザイン開発・知的財産スタッフ・生産技術・品質保証など、さまざまな分野があります。ソフトウェアの開発や商品デザイン開発など、技術力を問われる仕事が多く、理系出身者が求められています。

営業

営業は、エンジニアが製品化した商品を国内外の販売代理店や小売店、法人などに売り込みをすることが仕事です。販路を含めた営業戦略を立て、多くの人たちに自社製品を選択してもらうための活動も必要となります。

経営

経営の仕事内容は、財務・経営管理・人事・総務・法務・物流・広報など多岐に渡ります。どの職種も、会社のスムーズな経営に関連する必要不可欠な存在です。

先輩の声

時計業界は成熟市場と思われがちですが、スマートウォッチなどITを取り入れた製品の開発にも取り組み新たな顧客開拓をしています。また、自社として生産工場を持たずに複数の生産者と連携することで卸などを通さないビジネスモデルを誕生させるなど、着実に変化している業界でもあります。

おわりに

世界情勢に影響されやすい時計業界ですが、スマートフォンの普及や少子化の影響で腕時計の国内需要は伸び悩んでいる現状があります。しかし国内メーカーの高品質な製品は、国外でも人気となっていることから、国外へ販路を拡大することで将来性のある業界として注目されています。時計業界に就職を希望している方は、今後の動向に目を向け業界に詳しくなっておきましょう。

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タグ : 時計業界 業界研究
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