
「就活の軸が決まらない…」と感じていませんか?
就職活動を始めたばかりのあなたにとって、自分の軸がはっきりしないことは大きな不安の原因です。
どんな業界を選べばいいのか、どんな企業が自分に合っているのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
しかし、「就活の軸」を明確にすることで、あなたが本当に目指すべき方向が見えてきます。
本記事では、業界別に具体的な「就活の軸」の考え方をご紹介します。この記事を読めば、自分の強みや価値観を活かした就職先を見つけ、納得のいく就活が進められるようになるでしょう。
就活の軸とは、志望企業を選ぶ際の基準
就活の軸とは、就職活動時に志望する企業を選ぶ基準となる考え方を指します。具体的には、自分の価値観や目標を基にして、企業選びや職種選びを行うための指針や基準のことです。
就職活動を進める中で、数多くの企業や職種に対してアプローチする際、何を最優先にするかを明確にすることは非常に重要です。
「軸」を定めることで、企業選びがブレず、自分にとって最適な環境を見つけやすくなります。
就活の軸を設定する2つのメリット
就職の軸を定めることは、就職活動を進めるにあたって非常に効率的かつ、有利に働きます。
ここでは、就活の軸を設定するメリットを2つご紹介します。
- 自分に合った企業や業務内容を選びやすくなる
- 企業からの評価につながる
メリット①|自分に合った企業や業務内容を選びやすくなる
就活の軸を定めることで、自分が何を大切にしているのかが明確になります。企業や業務内容を選べるため、自分に合った職場を見つけやすくなります。
また、企業選びがブレにくくなり、入社後のミスマッチを防げます。
例えば、「成長の機会が多くある」を軸とする場合、成長スピードが速く、新しい挑戦を積極的に受け入れる環境が整っているベンチャー企業やスタートアップの選択に繋がります。
「安定した職に就きたい」軸であれば、大企業を選択し、じっくりとキャリアを積んでいく道を選べます。
メリット②|企業からの評価につながる
就活の軸を定めていることは、企業側にも良い印象を与えられます。
企業は、応募者が自分の価値観や目標に基づいて志望している企業であると分かることで、
「この人は自己分析がしっかりしており、会社の文化や業務内容に適合しているだろう」と判断しやすくなります。
また、自分の軸をしっかりと説明できると、企業側にも「入社後のミスマッチを防げる」と思わせられます。
就活の軸の見つけ方
就活の軸を見つけるためには、自己分析と価値観の整理が非常に重要です。自分にとって本当に大切なことや、自分に合う職場環境が明確になり、より適切な企業選びができます。
ここでは、就活の軸の見つけ方を2点紹介します。
- 自己分析の方法
- 価値観の整理と優先順位
自己分析の方法
就活の軸を見つけるための第一歩は自己分析です。
自己分析とは、自分自身の過去や価値観を整理する作業です。自分が何を大切にし、どのような環境で働きたいかを明確にできます。
過去の経験を振り返り、自分がどのような状況で満足感を感じたか、逆に苦手意識を持ったかを見極めることが重要です。
周囲の人に自分の強みや弱みを尋ねることも有効です。また、過去に興味を持った業界や企業を振り返り、なぜ興味を持ったのかを深掘りすることで、自分の軸が見えてくるでしょう。
価値観の整理と優先順位
自己分析を通じて得られた情報をもとに、自分の価値観を整理し、就活の軸を設定する際にその価値観に優先順位をつけましょう。
たとえば、「チームワークが重視される環境で働きたい」、「社会貢献ができる仕事がしたい」といった価値観を持っているなら、リスト化して優先順位をつけるのもおすすめです。
このプロセスを通じて、自分がどのような条件を重要視しているのかを明確にしましょう。具体的な軸設定のためには、自分がなりたい姿や達成したい目標を念頭に置くことが大切です。
業界別:就活の軸の例文一覧
就活の軸といっても、業界によって重要視される部分や特徴には違いがあります。ここでは、業界ごとの就活の軸を例として紹介します。
ここで紹介する軸と自分の軸を照らし合わせて、業界選びの参考にしてみてください。
- メーカー
- 小売
- 金融
- サービス
- インフラ
- コンサル
- IT
メーカー
メーカー企業とは、主に製品の企画・開発・販売を行う企業を指します。職種は多岐にわたりますが、「モノを作り、それを届ける」プロセスの中で幅広い職種が連携して働いています。
製品開発や生産プロセスにおいては、新技術や市場の変化に対応する為に、継続的な学習ができる必要もあります。そんなメーカー勤務を志望する際の軸としては以下が挙げられます。
- 「技術職・モノづくりに携わりたい」
- 「安定性と長期的なキャリア形成を重視したい」
- 「社会貢献性やモノづくりを通した価値創造を重視したい」
ものづくりや製品開発に強い興味がある人にはもちろん、メーカーの多くは長期的なスパンで成長を目指すため、安定した企業でキャリアを積みたい人にも向いています。
小売
小売とは、商品を最終的な消費者に直接販売する業界です。メーカーや卸売業者から仕入れた商品を販売する、日常生活に密接にかかわる業界です。ニーズやトレンドに関する調査やマーケティングも重要となる小売業界では、合致する就活の軸として以下が挙げられます。
- 「消費者のニーズに応える職に就きたい」
- 「消費者のニーズを分析して、新しい商品を提案したい」
小売業は顧客との接点が非常に重要です。顧客満足度を高めることにやりがいを感じる人に向いています。
また、トレンドや流行に敏感な人や、商品企画や販売促進活動でアイデアを出すことに魅力を感じる場合、小売業界の商品企画やマーケティング職がおすすめです。
金融
金融業界は、お金の流れを管理・運用する業界です。資金を提供したり、運用・保全することで経済活動を支えます。主な業種は、銀行・証券会社・保険会社・クレジットカード会社などがあります。
金融業界に合致する就活軸は、以下の例が挙げられます。
- 「経済の動向を理解し、リスク管理や資産運用に貢献したい」
- 「安定した収入と将来的なキャリアの成長を重視したい」
数字やデータを使った分析を行い、企業や個人に対して適切な金融商品やサービスを提供することに興味がある人に向いています。
また、金融業界は、安定した収入と確実なキャリアパスが魅力的な場合が多いため、長期的なキャリアを築きたい人に適しています。
サービス
サービス業は、形の無い商品やサービスを提供する業界を指し、飲食業や宿泊業、娯楽や教育・医療といった職種が当てはまります。
顧客とのやり取りが多く、直接的にやりがいを感じられるシーンも多いサービス業界。そんなサービス業界に合致する就活軸の例には以下が挙げられます。
- 「人に喜ばれることを職業にしたい」
- 「チームでの協力を大切にする職業に就きたい」
サービス業では顧客との接点が多いため、サービス業では顧客満足度を向上させることに喜びを感じる人に向いています。
また、チームワークや臨機応変に対応する能力が求められるため、チームで働くことに魅力を感じる人に向いています。
インフラ
インフラ業界は、生活や経済活動を支える基盤を提供する業界です。主な業種には、電力・ガス会社、水道会社、通信会社などがあります。
日常生活を送る上で、誰しもが必要とするインフラですから、社会貢献性が強いのがこの業界の特徴です。したがって、インフラ業界に合致する就活の軸は以下の例が挙げられます。
- 「社会全体に貢献し、安定した企業で長期的に働きたい」
- 「新しい技術で社会の仕組みを改善したい」
先ほども述べた通り、インフラ業界は、社会全体に影響を与える業界であるため、公共性や安定性を重視する人に向いています。
コンサル
コンサル業界は、企業や団体が抱える課題を解決するためのアドバイスや支える課題を解決するためのアドバイスや支援を提供する機会が多くあります。そのため、合致する就活軸は以下が挙げられます。
- 「企業の課題を解決し、成長を支援したい」
- 「多様な業界での経験を積みたい」
- 「常に新しい挑戦を求めている」
コンサル業界では、複雑な課題に対して、戦略的な解決策を考え出すことに興味がある人や幅広い業界や企業の問題を扱うため、好奇心旺盛で学び続けることに抵抗のない人に向いています。
IT
IT業界は、情報技術を活用した製品やサービスを提供する業界で、現代のビジネスや生活に欠かせない存在です。
主な業種に、ソフトウェア開発やWebサービス、ITインフラ、AI・データ分析などがあります。
合致する就活軸は以下になります。
- 「技術を駆使してビジネスの課題を解決したい」
- 「最先端の技術を使って新しいサービスを開発したい」
IT業界では、新しいソリューションを考え出すことが求められます。
創造的に問題を解決することにやりがいを感じる人や、プログラミングやAI・データ解析などの分野に強い関心がある人に適しています。
就活の軸の具体例
ここでは、就活の軸の具体例を紹介します。以下の4つの基準ごとに具体例を用意しました。就活の軸を設定する際の参考にしてください。
- 人・組織文化に関する基準
- 仕事・事業内容に関する基準
- 企業理念に関する基準
- 働き方・環境に関する基準
人・組織文化に関する基準
人・組織文化に関する基準で就活軸を設定する場合、以下のような例が挙げられます。
- チームワークを重視して働きたい
- 若手の活躍を重視する企業で働きたい
- オープンなコミュニケーションを取れる企業で働きたい
具体的には、「プロジェクトで助け合い、意見を自由に交換できる環境で働きたい」、「入社3年目でリーダーに挑戦できるなど、成長機会が多い環境を求める」、「社長と直接話す機会があるなど、風通しの良さが重要」などが挙げられます。
仕事・事業内容に関する基準
仕事・事業内容に関する基準で就活軸を設定する場合、以下のような例が挙げられます。
- 社会課題の解決に寄与する事業に取り組みたい
- 革新性のある仕事に就きたい
- グローバルな活躍をしたい
具体的には、「再生可能エネルギー事業や地方創生プロジェクトに携わりたいため、環境問題や地域活性化など、社会に貢献する事業を展開している企業で働きたい」、「AIやIoTを活用した次世代サービスの開発に関わりたいため、新しい技術やアイデアを活用して挑戦する企業で働きたい」といった例があります。
企業理念に関する基準
企業理念に関する基準で就活軸を設定する場合、以下のような例が挙げられます。
- 挑戦を重視する理念の企業で働きたい
- 社会貢献性の強い理念の企業で働きたい
- 従業員の成長を重視する理念の企業で働きたい
具体的には、「お客様のニーズを正確に把握し、それに対する正確な提案を行ってきた私にとって、「お客様第一主義」という貴社の企業理念に深く共感した」、「人々の生活をよりよくすることを仕事を通じて実現したい私にとって、貴社の「社会貢献をすること第一に」という企業理念に強く惹かれた」といった例があります。
働き方・環境に関する基準
働き方・環境に関する基準で就活軸を設定する場合、以下のような例が挙げられます。
- 柔軟な働き方ができる企業で働きたい
- 福利厚生の充実した企業で働きたい
- オフィス環境の良い企業で働きたい
具体的には、「個々のライフスタイルに合わせた勤務が可能な環境を希望するため、リモートワークやフレックスタイム制など、働き方の選択肢が広い企業」、「産休・育休の取得率が高く、復帰後のサポートが充実している職場」などが当てはまります。
就活の軸を設定する際の3つの注意点
就活の軸を設定するといっても、ただ自分の希望を挙げるだけでは適切な軸とは言い難いです。
ここでは、就活の軸を設定する際の3つの注意点を紹介します。
就活の軸を定める際には、以下の注意点に気を付けながら行いましょう。
- 注意点①|具体的で現実的な目標設定
- 注意点②|学生時代の経験に基づいている
- 注意点③|一貫性と柔軟性のバランス
注意点①|具体的で現実的な目標設定
「就活の軸」を設定する際には、具体的で現実的な目標を立てることが非常に重要です。
自己分析を通じて、自分の強みや価値観を把握し、それに基づいて目標設定することが成功の鍵となります。
例えば、「自分は新しい業界に挑戦し、自身のスキルを最大限に活かしたい」といった具体的な目標があると、企業選びや面接の際に自信を持った受け答えが可能になります。
面接やエントリーシート(ES)で目標を効果的にアピールすることが評価に繋がります。具体的な内容を盛り込むことで、面接官や採用担当者に熱意が伝わりやすくなります。
注意点②|学生時代の経験に基づいている
「就活の軸」は、学生時代の経験に基づいていることがベストです。
就活の軸と学生の時に頑張ったことはセットで考えましょう。セットで考えることで軸に一貫性が生まれ、面接やESでのわかりやすさにつながります。
学生時代の経験については、「いつそう思うようになったか」、「なぜそう思うのか」という質問に答えられるように備えておきましょう。
どの経験が軸の設定に繋がったのか、志望する業界の志望理由はなにか、志望企業を選択した理由はなにか、に矛盾なく答えられることが望ましいです。
注意点③|一貫性と柔軟性のバランス
「就活の軸」は一貫したものであることが望ましいですが、柔軟性も必要です。一貫性を持つことで、企業側に対して自身の信念や価値観が明確であるとアピールできます。
しかし、現実的には企業ごとに求められる人材像や価値観は異なります。そのため、自分の軸に多少の柔軟性を持たせ、各企業の特性や業界の動向に合わせて微調整することも重要です。
一貫性を保ちつつも、柔軟に対応するために、まず自己分析で自分の優先事項をリストアップしましょう。それに基づいて、いくつかのバリエーションを用意しておくことをおすすめします。
面接やESで多様な質問にも対応でき、企業への適応や共感を示すことができます。
まとめ
就活の軸は、就職活動を行っていくうちに変化していくものですし、就活の軸を定めることは決して容易ではありません。
しかし、就職の軸を定めることは、就職活動を行う上で効率的かつ有利に役立ちます。更には、自分らしいキャリアを築くための第一歩にもなります。
しっかりと就活の軸を定め、あなたにとって充実した就職活動が行えることを願っています。