しっかりと就活を行なっている学生にとって避けて通れないのがグループディスカッションです。初めての方ですと、グループディスカッションへの漠然とした不安もあると思います。
そこで、この記事ではグループディスカッションへの解像度をあげるためにに、下記の点について解説していきます。
▼この記事で解説する内容 ・グループディスカッションでの役割 ・グループディスカッションの進め方 ・グループディスカッションで上手く立ち回るためにコツ |
最終的にこの記事を読むこおとで、グループディスカッションを前にして万全な状態になれるようわかりやすく解説していきます。
グループディスカッション(GD)とは?
グループディスカッション(GD)は、就職活動やインターンシップ選考などでよく用いられる選考方法の一つです。
数人の学生をグループに分け、与えられたテーマについて議論をした上で、グループとしての結論を導き出すという形式で行われます。
GDを通して、主に以下の点が評価されます。
評価項目 | 概要 |
---|---|
論理性 | 論理的にわかりやすく意見を述べられるか |
積極性 | 積極的に自分の意見を言い、議論に参加できるか |
リーダーシップ | 状況に応じてリーダーシップを発揮し、議論をまとめられるか |
協調性 | 他の意見に耳を傾け、チームワークを重視して協力できるか |
コミュニケーション能力 | 自分の意見をわかりやすく伝え、相手の意見を理解できるか |
正直、これらの全てを高評価で突破するのは厳しいですが、自身の強みを理解しつつどの評価項目をアピールしに行くかを事前に、なんとなくでもいいので考えておきましょう。
グループディスカッションの進め方と流れ
ここではグループディスカッションの進め方と流れについて全体像を解説していきます。結論からお伝えすると下記のような流れでグループディスカッションは進められます。
説明 | 概要 | ポイント |
---|---|---|
説明 | 面接官から、GDのテーマ、時間配分、評価ポイントなどが説明されます。 | しっかりと聞き取り、内容を理解する。 わからないことがあれば、遠慮なく質問する。 メモを取ることをおすすめする。 |
自己紹介 | 簡単な自己紹介を行います。 | 氏名、大学名、学部名などを簡潔に伝える。 20秒程度を目安にする。 明るい声で、笑顔で話す。 身振り手振りを交えて話すと、印象的になる。 内容を簡潔にまとめ、要点だけを伝える。 |
役割決め | グループ内で、司会、書記、タイムキーパーなどの役割を決めます。 | それぞれの役割を理解し、責任を持って遂行する。 司会は、メンバー全員が発言できるように配慮する。 書記は、漏れなく正確に記録する。 タイムキーパーは、押し黙ったり、早口で話したりしないよう注意する。 |
ディスカッション | 与えられたテーマについて、自由に意見を出し合います。 | 積極的に発言する。 論理的に考える。 協調性を持つ。 時間管理する。 |
議論の内容を整理 | 出された意見を整理し、論点や課題を明確にします。 | 意見をカテゴリー分けしたり、時間軸で整理したりすると、わかりやすくなる。 関係図やマインドマップを活用すると、論理的な思考を整理しやすくなる。 結論を導き出すための論点や課題を明確にする。 |
発表 | グループ代表者が、議論の内容と結論をまとめ、発表します。 | わかりやすく簡潔に、論理的に説明する。 結論だけでなく、議論の過程も説明すると、説得力が増す。 質疑応答の時間があれば、しっかりと答えられるように準備しておく。 声の大きさや話し方に注意する。 表情やジェスチャーを活用して、わかりやすく伝える。 時間内に発表できるように、事前に練習しておく。 質疑応答では、落ち着いて丁寧に答える。 |
STEP①|説明
まずグループディスカッションでは、最初の冒頭説明が行われます。ディスカッションの目的やテーマ、ルール、時間制限などが面接官から共有されます。
冒頭説明は、その後のグループディスカッションにおける前提になります。ここをおざなりにすると後々流れに取り残されることになるので注意深く聞くようにしましょう。その他、下記のポイントに気をつけるようにしましょう。
▼おさえるべきポイント ・わからないことがあれば、遠慮なく質問する ・メモを取る |
STEP②|自己紹介
アイスブレイクとお互いの人間性や特徴を把握する目的で、参加者同士が自己紹介を行います。氏名、大学名、学部名などを簡潔に伝えましょう。
また、他のメンバーの自己紹介はしっかり聞くようにしましょう。自己紹介を通して他メンバーの特徴や人柄をおさえておくことで、後々の立ち回りが非常に楽になります。
その他、下記のポイントを気をつけるようにしましょう。
▼おさえるべきポイント ・氏名、大学名、学部名などを簡潔に伝える。 ・20秒程度を目安にする。 ・明るい声で、笑顔で話す。 ・身振り手振りを交えて話すと、印象的になる。 ・内容を簡潔にまとめ、要点だけを伝える。 |
STEP③|役割決め
グループ内で、司会(ファシリテーター)、書記、タイムキーパーなどの役割を決めます。それぞれの役割を理解し、責任を持って遂行しましょう。
グループディスカッションでは、お題に対して短時間で答えを出します。これを効率的かつ有意義なものにするために、各参加者が役割を持ってそれに即した動きをする必要があります。また、下記のポイントについてもおさえておくようにしましょう。
▼おさえるべきポイント ・それぞれの役割を理解し、責任を持って遂行する。 ・司会は、メンバー全員が発言できるように配慮する。 ・書記は、漏れなく正確に記録する。 ・タイムキーパーは、押し黙ったり、早口で話したりしないよう注意する。 |
STEP④|ディスカッション
与えられたテーマについて、自由に意見を出し合います。最初は思いついたことを何でも発言し、アイデアを出し尽くしましょう。
ここでのポイントは、全員が意見を言えるようにすることと、話題が逸れないようにすることです。ファシリテーターは、活発な議論を促進し、必要に応じて議論をまとめるような動きをする必要があります。
▼おさえるべきポイント ・積極的に発言する。 ・論理的に考える。 ・協調性を持つ。 ・時間管理する。 |
STEP⑤|議論の内容を整理
出された意見を整理し、論点や課題を明確にします。メモを取る際に、議論の内容を関係図やマインドマップなどを活用すると効果的です。
ディスカッションの内容を整理し、主要なポイントやチームの総意となりうるアイデアをまとめます。記録係がこの役割を担い、必要に応じて他のメンバーの助けを借りながら、議論された内容を明確にします。
▼おさえるべきポイント ・意見をカテゴリー分けしたり、時間軸で整理したりすると、わかりやすくなる。 ・結論を導き出すための論点や課題を明確にする。 |
STEP⑥|発表
最後に、グループで決まった議論の内容を代表者がまとめて発表します。論理的にわかりやすく、簡潔に発表しましょう。
最終的に、グループの代表者が整理された内容を人事担当者や他のグループに向けて発表します。このステップでは、グループで話し合った内容について、結論ファーストで簡潔に伝える必要があります。
▼おさえるべきポイント ・質疑応答の時間があれば、しっかりと答えられるように準備しておく。 ・声の大きさや話し方に注意する。 ・表情やジェスチャーを活用して、わかりやすく伝える。 ・時間内に発表できるように、事前に練習しておく。 ・質疑応答では、落ち着いて丁寧に答える。 |
グループディスカッションの役割
グループディスカッションでの役割には下記のような役割があります。
・役割①|司会進行 ・役割②|タイムキーパー ・役割③|書記 ・役割④|メンバー |
それぞれ、どのような役割か詳細に解説していきます。
役割①|司会進行 (ファシリテーター)
司会進行 (ファシリテーター)は、グループ全体の進行役を務める重要な役割です。進行中で気をつけるべきポイントとしては下記の通りです。
▼おさえるべきポイント ・メンバー全員が発言しやすい雰囲気を作る ・議論が脱線しないように注意する ・時間配分に気を配り、スムーズに進行する ・結論をまとめ、発表する |
司会進行は、常に明るくハキハキとした声で話し、メンバー全員に配慮し続けることが重要です。また、議論が錯綜した時は、明確な論点を見つけ整理する必要があります。
時間内に結論を導き出せるように、全体の議論の方向性を整えるようにしましょう。また、多くの場合ファシリテーターが最後のチームの代表として発表します。
役割②|タイムキーパー
タイムキーパーは、グループ全体の時間管理を行う役割です。あまり積極性のない学生が、「タイムキーパーなら簡単そう」だと考えて飛びつく場面がありますが、難易度の高い役割なのでやるからにはしっかりやりましょう。
主なディスカッション中の動きとしては、下記の通りです。
▼おさえるべきポイント ・各ステップの時間を計り、メンバーに伝える ・長時間発言するメンバーを注意する ・時間内に議論を終えられるように、適宜状況を調整する |
ストップウォッチなどを活用して、時間を正確に計るというのはもちろん、時間が迫っている時は議論が白熱していても、毅然とした態度で指摘する必要があります。
議論がヒートアップしていると、気まずさから注意できずタイムキープできないことがあります。かなりプレッシャーのかかる役割であることは認識しておきましょう。
役割③|書記
書記は、議論の内容を記録する議事録係です。議論の内容を漏れなく正確に記録する役割です。主なディスカッション中の動きとしては下記の通りです。
▼おさえるべきポイント ・関係図やマインドマップなどを活用して、わかりやすく整理する ・議論の過程だけでなく、結論も明確に記録する |
書記において非常に重要なのが、聞き取りにくい場合は、遠慮なく質問することです。質問無くして議論を全て記録するのは不可能です。しっかり、自身も議論を整理しながら記録しておきます。
役割④|メンバー
与えられたテーマについて、積極的に意見を述べる役割です。他のメンバーの意見に耳を傾け、積極的に質問するようにしましょう。
メンバーは、脇役のように捉えられますが、議論を進める「エンジン」のような役割です。そのため、発言が少なかったり、周りを無視して喋るとチームワークが乱れてしまいます。その際に気をつけるべきポイントは下記の通りです。
▼おさえるべきポイント ・論理的に考え、自分の意見をわかりやすく説明する ・協調性を持ち、グループ全体で結論を導き出すことに貢献する |
もし、メンバーとしての役割を担うことになった場合、事前にテーマについて調べておき、自分の意見を整理しておきましょう。また、最初から結論を決めずに、他のメンバーの意見も取り入れながら柔軟に対応しましょう。また、否定的な発言は控えましょう。グループの輪が乱れかねません。
グループディスカッションのコツ
続いて、グループディスカッションをやる上でおさえるべきポイントを解説します。以下の点は、どの役割になろうと関係なく全員おさえておくべきポイントです。
・コツ①|チームプレイであることを忘れない ・コツ②|他の意見を否定しない ・コツ③|わからない部分は必ず聞く ・コツ④|人が話している内容に傾聴する |
コツ①|チームプレイであることを忘れない
グループディスカッションは、個人の能力を競う場ではなく、グループ全体で協力して結論を導き出すことが重要です。
自分の意見ばかり主張するのではなく、他のメンバーの意見に耳を傾け、積極的に質問しましょう。メンバー同士で協力し、助け合いながら議論を進めることで、チーム全体の成果を上げることができます。
会社は基本的にチームワークです。このチームワーク力を見るのがグループディスカッションです。ここの本質を見極めておくことが重要です。
コツ②|他の意見を否定しない
他のメンバーの意見が自分と異なっていても、まずは否定せずに最後まで聞きましょう。否定をすると、他のメンバーもいい気がしません。
相手の意見を理解した上で、自分の意見を論理的に伝えることは必要です。ただ、相手の意見がどんなに間違っていたり的外れであったとしても、受け入れるようにしましょう。
相手の意見を尊重する姿勢は、協調性やコミュニケーション能力の高さとして、企業の人事担当者も評価するでしょう。
コツ③|わからない部分は必ず聞く
議論中にわからない部分が出てきたら、遠慮せずに質問しましょう。わからないまま話を進めてしまうと、後々自分だけが議論についていけなくなります。また、チームとしても議論で発言する人間が1人減ることになり、チーム全体としても良くないです。
わからなければしっかり質問することで、自分の理解を深めることができます。また、他のメンバーもわかったふりして実はわかっていなかったりします。実は逆に感謝されていたりするので、恥ずかしがらず即質問をしましょう。
コツ④|人が話している内容に傾聴する
自分の意見ばかり考えていると、他のメンバーの話に耳を傾けられなくなってしまいます。他のメンバーが話しているときは、メモを取ったり、内容を頭の中で整理したりして、しっかりと聞きましょう。
相手の話を理解することで、的確な質問や意見を述べることができます。傾聴は、わかっていてもいざやるとなると中々できません。つい自分の意見を言いたくなって他のメンバーの話を聞いていなかったりします。
意識的に、日常生活でのコミュニケーションで訓練しておくことが重要になります。
グループディスカッションではどんなテーマが出る?事前の対策方法は?
グループディスカッションは大きく4つのカテゴリーに分かれます。それら4つのカテゴリーを、それぞれのカテゴリーごとの対策とともにご紹介していきます。
自由討論型
答えがないテーマを出題されるのが自由討論型です。
対策としては、「答え」というものがないので意見をしっかり発言する、周りの意見もしっかりと聞く、時間内に自分達の回答を導き出すということが重要となります。
ディベート型
賛成反対の2つに分かれるテーマを2つのチームに分かれて意見し合うのがディベート型です。
相手の考えをある程度予想して自分の反対意見をぶつける必要があるため、結論と具体例をセットにして相手が理解できるように発言することが重要です。この点に注意しましょう。
選択型
複数の選択肢の中から一つの答えを導き出すのが選択型です。
全員の意見を出し合うのではなく、まず先に答えを決め、なぜそれを選択したのかという判断基準を討論する必要があります。覚えておきましょう。
課題解決型
今発生している問題に対して、その問題を解決に導く答えを出すのが課題解決型です。
現実的に実行可能な解決策やそれを実行するための問題点についても、順序を立てて討論し合う必要があるということをしっかり意識しましょう。
よくある選考のテーマ例
ここではよく出るグループディスカッションのテーマを紹介していきます。
自由討論型
- 働くことの意味とは?
- ◯年後、この業界はどうなるか
- 学生と社会人の違いとは
ディベート型
- 就職するなら大企業と中小企業のどちらが良いか
- 日本にカジノが必要と言えるか?
- 日本に原発は必要か?
選択型
- このグループで一人合格にするとしたら
- 海外で新商品を進出させるならどこの国に進出するか
- 無人島に持っていくとしたらどれか
課題解決型
- 出生率を上げるにはどうすればいいか
- コンビニの売上を二倍にするにはどうすればいいか
- 残業時間を減らすにはどうすればいいか
上記はあくまでも一例で、実際は企業ごとの特徴が出るテーマがよく出題される傾向にあります。
当日までテーマは発表されませんので事前準備としてあらかじめ様々なテーマを見て、自分で答えを考えてみると良い答えの出る議論をすることができると思います。
先輩の声
グループディスカッションを勝ち抜く力は練習によって十分に鍛えることができます。友人との練習や早期選考を行う企業にエントリーするなど、様々なパターンに触れ、どんな状況でも自分をアピールできるように場慣れしておきましょう。
おわりに
いかがでしたか?テーマごとの対策を事前準備して適切な解決策を考えておき、グループを良い結果に導き選考突破を目指していきましょう!