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【業界研究】監査法人への就職は難しい?就活生のための業界分析!

企業研究・業界研究
監査法人への就職は難しい?就活生のための業界分析!

監査法人業界は「安定している」というイメージから、人気の就職先の1つですが、就職が難しそうという認識を持っている方もいるのではないでしょうか?今回は、監査法人業界の最新の動向から、主要法人、仕事内容などを詳しく解説します。就活生や業界研究をしている方は、ぜひ参考にしてください。

監査法人業界の動向とは?

監査法人業界の動向とは?

監査法人は、企業の決算書が、遵守すべき法令や社内規定に則って作成されているかを監査することが主な仕事です。監査には専門知識が必要とされることや、業務量などを考慮して、年収は他業界よりも比較的高めに設定されています。

監査法人業界は多くの企業と関わりがあるため、グローバル化が進む近年では、世界情勢の影響を受けやすい業界といえるでしょう。現在は、景気が回復傾向にあることや、IPO(株式公開)を行う企業やIFRS(国際財務報告基準)を適用する企業の増加が背景となり、移行に伴うアドバイス・フィーなどで監査法人の業務が拡大、収益も増加傾向にあります。

監査法人で監査業務に直接携わりたいのであれば、国家資格である公認会計士の資格を取得済みか、試験合格者でないと、就職は難しいかもしれません。公認会計士試験の合格率は10%前後と難易度が高く、また、その年に監査法人が求める人数と合格者数との関係で、売手市場か買手市場かが決まります。現在は、受験生の数と合格者数の減少が下げ止まり状態であることと、監査法人の業務量増加などから、資格取得者もしくは取得を目指す就活生にとっては、売手市場といえるでしょう。

今後の課題

監査法人の最大の課題は、優秀な人材の確保です。人材の確保には、試験の受験者数・合格率の低さ、業務量や勤務時間の長さなどによる離職率の高さが、壁となっています。また、不正会計問題がニュースになったりしましたが、監査品質の維持・向上も必須です。監査の品質を向上させながら残業時間を抑制し、増加する受注数をこなせる人材を確保する、各法人はこれらの課題に立ち向かっています。

成長戦略

監査法人業界では、人材不足解消や業務量の負担軽減を目的として、デジタル監査の実現に取り組んでいます。ビッグデータやAI、ロボット、ブロックチェーンなどのIT技術を活用して、業務の効率化・最適化・高精度化を図っています。また、優秀な人材を確保するために、教育制度や労働環境の見直しを強化する取り組みも進んでいます。

監査法人業界の主な企業

監査法人業界の主な企業

監査法人業界は、BIG4と呼ばれる4大監査法人と、中堅・小規模の監査法人で構成されています。今回は、4大監査法人について紹介しておきます。

有限責任あずさ監査法人

世界4大会計事務所の1つであるKPMGと提携しており、153ヶ国に広がるネットワークが強みです。2018年時点で、公認会計士が3,282人、職員全体では6,000人以上が在籍しています。金融商品取引法・会社法、学校法人、労働組合などの監査証明業務を主としており、クライアント数は3,500社以上。IT関連・企業成長支援などの、アドバイザリーも行っています。

EY新日本有限責任監査法人

アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドと提携しており、2018年時点で公認会計士が3,220人、職員全体では5,400人以上が在籍しています。国内外56ヶ国に拠点があり、金融商品取引法・会社法、学校法人、労働組合など、約4,000社以上の監査を担当。AIによる会計仕訳の異常検知技術の特許を取得しており、IT技術の活用を目指しています。

有限責任監査法人トーマツ

海外大手監査法人のデロイト・トウシュ・トーマツ・リミテッドと提携しており、日本で初めて拠点を全国展開した歴史を持っています。2018年現在、公認会計士が3,300人以上、職員全体では6,700人以上が在籍し、全国40都市、海外50都市に事務所を持つ法人です。金融商品取引法・会社法、学校法人、労働組合など、約3,300社以上の監査を行っています。

PwCあらた有限責任監査法人

世界159ヶ国に約18万人の社員を持つプライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル・リミテッドと提携しており、2018年現在、公認会計士が約930人、職員全体では3,100人以上が在籍しています。財務諸表・内部統制監査や、会計アドバイザリー業務、リスクアシュアランス業務において、業種別に特化した組織を編成し、活動しています。

監査法人業界で働く人の仕事内容

監査証明業務

さまざまな業界の企業や団体・法人を対象に、決算書などが遵守すべき法令や社内規定に則って作成されているかを監査証明する業務です。公認会計士の資格を持った会計士のみが対応できる仕事となります。

非監査業務

監査業務以外の、株式公開の支援や、企業の合併・買収に対するアドバイスやサポートを担当します。業務プロセスの構築や改革、IFRS導入支援、行財政改革支援など、幅広い業務を行います。非監査業務はアドバイスを行う業務のため、アドバイザリー業務とも呼ばれています。

コンサルティング業務

コンサルティング部門の主な仕事内容は、会計の専門知識を活かした、コンサルティングを行うことです。クライアント企業の財務書類の調整など、ガバナンスやリスク管理、コンプライアンス等の課題解決、業務プロセスの構築や改革を行います。

先輩の声

監査法人は、公認会計士試験の合格発表から採用面接、内定までのスパンがとても短いため、試験終了後から企業研究や説明会の日程の確認など少しずつ準備を始めておきましょう。周りの就活生よりもかなり遅いタイミングでの就職活動になりますが、資格を取ってしまえば売り手市場と言えるので、焦らず自分のペースですすめましょう。

おわりに

リーマンショックから回復し、順調に業績を伸ばしている監査法人業界。各法人は、人材の確保に取り組みながら、IT技術を活用した業務改革を進めるなど、変革期を迎えています。監査法人業界に就職を希望している方は、公認会計士の資格取得を視野に入れつつ、今後の経済情勢や世界動向などの幅広い見識も身につけておきましょう。

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