自分に合った業界、職業を見定めるために自己分析を行う必要があります。しかし、それまで自分の特性を意識してこなかった方にとっては、難しく感じられるのではないでしょうか。
自己分析が思ったように進まないという就活生におすすめしたい方法が「モチベーショングラフ」です。
今回は、自己分析に悩む就活生にぜひ実践してほしい、モチベーショングラフの書き方についてご紹介します。
自己分析を効率的に進めるために
過去の自分から現在の自分、未来の自分への理解を深める自己分析。就職活動においては必須のタスクであると同時に、就活生の悩みの種でもあります。
自己分析には絶対的な正解が存在するわけではありません。どうやって自己分析を進めれば良いのか分からず、迷っている方も多いでしょう。自分と向き合うというのは意外と難しいものです。
モチベーショングラフは、そんな自己分析を効率的に進めるために有効とされています。時系列に応じたモチベーションが可視化されるため、「自己」を深掘りする方法として多くの就活生が実践しています。
モチベーショングラフとは
モチベーショングラフとは、それまでの経験を振り返り、時系列ごとに感情の振れ幅を記したグラフです。縦軸を感情の正負、横軸を時系列にとり、グラフを書きます。
モチベーショングラフの考え方は非常にシンプルながら、「何が自分を突き動かすのか」「自分のモチベーションはどういったことをきっかけに下がってしまうのか」などのようなポイントを明確にできる方法です。
モチベーショングラフの作成方法
モチベーショングラフの作成方法について説明します。このグラフは、自己分析や就活における重要なツールとして活用されることが多いです。
以下のステップで、自分の過去の経験をもとにモチベーションを視覚的に整理することができます。
ステップ1: 縦軸と横軸の設定
まず初めに、モチベーショングラフの基本的な構造を設定します。縦軸には「心の充実度」や「モチベーションの高さ」を設定し、横軸には「年齢」や「学年」などでセットします。
この設定により、時間の経過に伴うモチベーションの変化を明確に見える形で記録することが可能です。
ステップ2: 出来事とモチベーションの整理
次に、自分の人生の出来事を整理します。
各時期の出来事を思い出し、それに対する自分のモチベーションの高まりや低下を考えます。重要なのは、感情や行動の変化について深く振り返ることです。
深く振り返る際には、5W1Hを用いると良いでしょう。
5W1Hとは、What(何が)、Why(なぜ)、Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どうやって)を指します。これらの問いを自分自身に繰り返し問いかけることで、モチベーションが高まった時期や低下した時期において具体的に何が起きていたのか、その背後にある要因を掘り下げることができます。
例えば、特定のプロジェクトに熱中していた理由として「何が」自分を駆り立てたのか、「なぜ」その時に特にやりがいを感じたのかなどの問いを立てることによって、自分の価値観や強みをより深く理解することが可能となります。
これにより、就活においても自信を持った自己PRができるようになります。
ステップ3: 曲線の描き方
最後に、整理した出来事とモチベーションのデータをもとにグラフを描きます。
モチベーションの高低を点で記入し、それらの点を曲線で結んでいきます。この曲線が、自分のモチベーショングラフとして完成します。ありのままを記録することが大事で、無理に良く見せようとせず自然な気持ちで記述しましょう。
この完成したグラフは、自己理解を深めたり、エントリーシート(ES)や面接対策として非常に役立ちます。
就活におけるモチベーショングラフの活用法
エピソード探しへの応用
モチベーショングラフは、自分がどのような出来事でモチベーションが高まったのか、または下がったのかを分析することで、エピソードの選び方に役立ちます。
これにより、具体的な経験をもとにした自己PRのストーリーが構築でき、他の就活生との差別化を図ることが可能となります。
面接やエントリーシートでの活用事例
モチベーショングラフを作成することで、自分の価値観や強みを具体的に表現しやすくなるため、面接官に対する説得力が増します。
例えば面接では、グラフ上の特定のピークや谷間を指し示し、その背景にある出来事を詳細に説明することで、自分のモチベーションの軸を明確に伝えることができます。
また、エントリーシートでは、モチベーションの変化に基づく具体的なエピソードが記述され、自己理解が深まったさまが伝わることで、審査担当者に好印象を与えることができます。
モチベーショングラフ作成時の注意点
モチベーショングラフを作成する際には、注意点があります。
まず、モチベーショングラフはあくまで自己分析ツールであり、自分を良く見せることが目的ではありません。そのため、ありのままの感情や経験を素直に記録することが大切です。
また、自分のモチベーションの変動を視覚化するにあたり、過去の出来事を正確に思い起こし、何が心に影響を及ぼしたのかを明確にすることが重要です。
さらに、就活に直接関係のない出来事であっても、モチベーションの変動に影響を与えたものであれば丁寧に書き出すことが、自己理解の向上につながります。
他の自己分析手法と組み合わせて活用すると、より多面的な理解が得られ、就活時にも説得力のある自己PRが可能になります。
おわりに
今回は、自己分析に役立つモチベーショングラフの書き方をご紹介しました。モチベーショングラフを書いてみることによって、これまで意識していなかった自分の感情変化を把握しやすくなります。
自己分析の方法はさまざまですが、自己分析に関して苦手意識を抱いている方は、まずモチベーショングラフのようにシンプルな方法を実践してみると良いかもしれません。最初は就職活動を意識せず、素直な「自分を知りたい」という気持ちで始めてみましょう。