現在、私たちの生活に欠かせないものとなったスマートフォンやパソコンなどの電化製品。家電や自動車部品など、あらゆる電化製品を完成させるために必要不可欠なものが電子部品です。電子部品業界は、経済や他の業界の売上高などに影響されやすいため、業績が不安定な部分もあります。そこで今回は、電子部品業界の動向に注目してみました。電子部品業界の企業研究をしている方は、参考にしてください。
電子部品業界とは?
電子部品業界とは、スマートフォンなどの電化製品の電子部品を製造している電子部品メーカー、電子部品メーカーが製品化した電子部品を管理・卸すなどをする電子部品を扱う専門商社、商社から電子部品を仕入れて電化製品を製造している電機メーカーの3種類があります。
電子部品メーカーで製造されている電子部品は、日本の高度な技術力と研究・開発力によって他国に真似できない電子部品を製造しているでしょう。
そのため、日本の電子部品は世界市場の多くを占めており輸出もおこなわれています。
電子部品を扱う専門商社は、電子部品メーカーが製造した電子部品を管理し電機メーカーに必要な電子部品を卸したり営業をかけたりすることが仕事です。
繊細な電子部品を管理できるのは、商社ならではの技術と管理力にあります。
電子部品は、自動車・家電製品・スマートフォンやパソコンなどの電化製品・ロボットなどあらゆる電化製品を製造するにあたって必要不可欠な部品です。
スマートフォン1台を製造するためには何百個もの電子部品が使われているといわれています。
このようなことからも、今後も必要不可欠とされる業界といえるでしょう。
日本の高い技術力によって電子部品業界は安定しているように思えますが、電子部品を多く扱う他業界の業績や経済などの影響を受けやすいため、売上高の乱高下が激しい業界です。
そのため、今後の動向が不透明な部分もあるので、安定した需要を確保していくことが、重要となるかもしれません。
今後の課題と成長戦略
電子部品業界の今後の課題としては、他国には真似できない日本ならではの高い技術力を発揮して高性能・高品質な電子部品を研究・開発・製造することが挙げられます。
たとえば、高い技術の電子部品を使って今後注目されている電気自動車や自動運転車などの領域で需要を確保していくことも、重要となるでしょう。
電子部品業界の主な企業・メーカー
京セラ株式会社
1959年に設立された「京セラ」は、自動車用部品・電子デバイスなどの部品事業、スマートフォン・タブレット・プリンターなどの機器システム事業をメインとしている電子部品メーカーです。グループ会社を含めると265社となっており、総従業員数は75,940名で大手の電子部品メーカーでもあります。京セラの売上高は、電子部品業界の中で第一位となっています。
株式会社村田製作所
1950年に設立された「村田製作所」は、スマートフォンやパソコンなどの電子デバイスをメインとした電子部品を研究・開発・製造・販売している電子部品メーカーです。高い技術力を持つ村田製作所は、高機能な電子部品を製造してスマートフォンや自動車電子部品などを開発し製品化しているところが強みの電子部品メーカーです。
日本電産株式会社
1973年に設立した「日本電産」は、精密小型モーターや車載用電子部品をメインに研究・開発・製造・販売している電子部品メーカーです。日本電産は、パソコンや冷蔵庫などに使用される小型モーターから超大型モーターの電子部品の製造を強みとしています。
電子部品業界で働く人の仕事内容
研究・開発
研究・開発の仕事内容は、電子部品に使われる素材の研究や、新規電子部品の開発、既にある技術を応用した新製品の開発、などがあります。
製造
製造では、研究・開発が進み電子部品が企画されたものを素材の調達から製品化することまでが仕事です。また、安定的に製品を製造するため、工場などの管理や品質チェックなどもおこないます。
営業
電子部品メーカーの営業は、電子部品を扱う商社やメーカーへの製品説明や新しい電子部品の売り込みとなります。また、在庫管理や受注・発注なども営業の仕事となります。
先輩の声
一見わかりにくいですが、電子部品業界は私たちの日常生活の欠かすことのできないスマートフォンなどの電子機器の生産を支えており、大きなやりがいを感じることができるでしょう。また、海外シェアを伸ばしている企業が多いので、海外経験は武器になります。
おわりに
さまざまなものづくり業界で必要不可欠とされる電子部品。やりがいを感じられるお仕事がたくさんありそうですね。しかし、他業界の業績や経済などの影響を受けやすいため、売上高の乱高下が激しい業界ともいえるでしょう。就職を希望している学生は今後の動向に目を向けて企業研究をしていきましょう。