※本記事は2018年に書かれた内容になっています。
雑誌やカタログなどの印刷物は、私たちにとって身近なものです。最近ではインターネットの普及によって、印刷産業の高度化が進むと期待されており、今まで以上に質の高いサービスが実現するでしょう。
今回は、印刷業界の市場動向や平均的な給与、将来性についてご紹介します。これから印刷業界への就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
印刷業界の市場動向は?
印刷業界の市場規模は、他の業界と比べて大きいことが特徴です。しかし、インターネットの普及による影響から、本や漫画、雑誌などの売れ行きが下がりつつあること、カタログやチラシといった印刷物による広告が減少傾向にあることが懸念されています。
このような市場動向を背景に、今後の印刷業界では電子書籍事業などさまざまな分野への進出、新たなビジネスモデルの確立が実現するでしょう。
印刷業界の業種
では、印刷業界にはどのような業種があるのかをご紹介します。
出版印刷事業
主に書籍や雑誌、教科書をはじめとした商業出版物の印刷を行います。出版社からの企画を受けたあと印刷会社が製本を行い、全国各地の書店へ並ぶという流れです。
商業印刷事業
一般企業の宣伝広告や業務のために、印刷物を制作します。具体的には、企業のカタログやパンフレットといった販促効果を高めるものや、業務上で必要な名簿や事務用品関連の印刷物などです。印刷事業を通して企業の業務をサポートする役割といえます。
生活・産業事業
飲食物のパッケージや、住環境に使われる建装材など、生活や産業に関わる分野の印刷を担う事業です。他にも、印刷業界ならではの特殊技術を生かし、幅広い分野で活躍するサービスを提供しています。
エレクトロニクス事業
スマートフォンやデジタル家電の普及により、私たちの生活は便利になりました。そのような電子技術と印刷にまつわる高度な技術を応用し、多くの企業や人々のニーズに合わせた製品やサービスを提供する事業です。
電子書籍事業
これまで紙媒体で流通していた、書籍や漫画、雑誌などのコンテンツを、電子書籍として販売します。スマートフォンやパソコンからでも閲覧ができるため、印刷業界の新たな主力事業として注目を集めています。
平均的な給料は?
印刷業界の平均年収は400万円~500万円で、他の業界とさほど変わらない平均的な水準か、やや高めでしょう。しかし、印刷業界は残業が多い傾向にあるため、この金額に納得しにくいという方も少なくありません。
就職活動においては、給料の金額だけを重要視するのではなく、待遇面や長年働ける職場環境かどうかをよく確認しましょう。
将来性は?
市場規模の大きい印刷業界ですが、現在はいくつかの課題を抱えています。これまで利益をあげていた広告の分野においては、顧客からの受注を受け入れるだけではなく、積極的な提案を行って顧客を獲得するスタイルが大切です。
また、電子書籍事業への参入やインターネットとは異なる広告事業など、業界全体で新たな活躍の場を広げていく必要もあるでしょう。もちろん、今後の印刷産業を担う若手の技術者や技能者の育成も継続していきます。
業界全体で規模が縮小傾向にあるとはいえ、新たな切り口から成長が見込める、将来性の秘めた業種といえるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、就職活動中の方へ向けて、印刷業界の動向や将来性についてご紹介しました。
印刷業界は、電子書籍事業をはじめとする新たな主力事業への参入や、今後の印刷産業を担う技術者の育成にも力を入れています。
就職活動の際には、労働条件や待遇、給与などをチェックして自分に合っている環境かどうかよく検討してください。