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【業界研究】工作機械業界に就職!主要メーカーの最新動向

企業研究・業界研究
工作機械業界に就職!主要メーカーの最新動向

「製造業で使用される機械」を製作する「工作機械業界」。子供のころから、巨大なマシンに憧れを抱く人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、工作業界について詳しく解説していきます。主要メーカーの最新動向から仕事内容など就職を希望している人の知りたいことをまとめてみましたので、参考にしてくだい。

工作機械業界の動向とは?

工作機械業界とは、スマートフォンなどの小さなものから航空機などの大きなものまで、機械の製造に必要な「機械部品を加工する機械」を製造する業界です。自動車・航空・造船・精密機器・医療機器・食品・農業などのもの作りに欠かせない機械を製造しているため、工作機械メーカーが存在しなかったら日本の技術発展もなかったと言えるほど重要な業界になります。工作機械業界には幅広い機械のもとを製造している大手総合メーカーと、専門の技術を活かして得意分野に特化して製造している中小企業があります。国内の多くの工作機械メーカーは、中小企業が占めています。

私たちの暮らしを便利にしてくれている身近なものは、工作機械メーカーがものをつくる機械の基礎を作り上げているからこそ生産されているのです。では、便利で豊かな環境をつくる根底を支えている工作機械業界の気になる動向はどうなっているのでしょうか?

工作機械業界は、自動車・食品・印刷・医療機器・介護・ITなどあらゆる業界に精通している業界です。さまざまな業界との関わりが深いゆえに、その業界の業績や世界経済に売上高をとても左右されやすいという側面があります。実際に、リーマンショックで起こった世界金融危機の年は、製造業全般にダメージを与えたことから売上高は急降下しました。また、輸出入もおこなっているため円高・円安にも売上高を左右されやすいです。リーマンショック後は、中国を中心とした海外需要が増えたことやスマートフォンの特需などによって回復傾向にあります。工作機械ユーザーとしての最大手は自動車産業ですが、今後EV化に伴い大きな需要が見込めるため、工作機械業界も成長余地が大いにあると予想されています。

今後の課題

工作機械業界の今後の課題としては、自動車業界の業績に左右されやすいという課題が挙げられます。また、世界経済にも左右されやすいので業績に影響を与える事柄が発生したときにどのように対処して生き抜いていく戦略を練っていくのかを考える必要があります。

成長戦略

総合工作メーカーは、多岐にわたる機械を製造できることや日本の高い技術力をもっと世界に向けて発信していくことが業績を伸ばすことにつながると考えられます。

今後、自動車のEV化だけでなく、あらゆる分野でAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)が浸透すると予想されます。いずれの分野においても工作機械の需要は大きいとみられるため、今後も日本の切削加工技術やIoT活用を武器に、中国やアジアの新興国を中心としたグローバル化を図ることが成長戦略になると言えるでしょう。

工作機械業界の主な企業

ファナック株式会社

工作機械の精密制御を担うNC装置で、国内シェアの7割超を占めるファナックは、1972年設立。本社は山梨県にあり、2016年には栃木県壬生に最新鋭の工場群が完成、急増する需要を賄うことで活況の波を逃しませんでした。

主力商品は、FA(工場自動化システム)・ロボット・ロボマシンの3つ。国内だけでなく海外にも進出し、新規・顧客すべての工場を自動化することを視野に研究・開発に力を入れている会社です。今後も研究・開発を進めていき工場の自動化を推し進めていく方針で成長戦略を狙っています。

DMG森精機株式会社

複雑な加工ができる5軸加工機などの売上が伸びている、1948年設立のDMG森精機。国内外での受注推移は好調で、2018年1~9月期の純利益は、前年同期比95%増となっています。金属積層造形技術への取り組みも強化しており、近年航空機業界や金型などの業界で成長、2025年には500億円の売上を目指すなどますますの飛躍が期待できる企業です。

スター精密株式会社

「小さな技術がつくる大きな世界」をキャッチフレーズとするスター精密。日本経済新聞社による「2018年度夏のボーナス調査」でも上位にランクインした、1950年設立のCNC自動旋盤等工作機械で高いシェアを誇る企業です。2020年には静岡県の菊川工場に拠点を移し、常設展示ルームなどもあるソリューションセンターが建設される予定です。

工作機械業界で働く人の仕事内容

研究・開発技術

主な仕事内容は、新製品の開発と素材や技術研究となります。また、新製品の企画・設計・試作・量産化なども仕事となります。メーカーの主力商品を生み出す重要な部署です。

生産技術

主な仕事内容は、生産設備の合理化や導入を検討することです。図面から、加工・組立製造現場への展開をおこない、部品や工具の作業位置を指示するための冶具設計などもおこないます。

保守・サービスエンジニア

実際に取引先の工場へ出張し、機械の修理・点検を実施することが主な仕事内容となります。油圧や空圧機器の調整や、電気関連・ネットワーク設定などもおこないます。

先輩の声

一見地味な業界ですが、あらゆる産業の生産を根底から支える非常に重要な業界であるため、感じるやりがいも大きいです。またグローバル展開を進める企業が多く、選考の際、語学力や海外経験は武器になるでしょう。ただ、世界経済や景気に業績が左右されやすいので、選考を受けるにあたって、今後の業界の動向をしっかりと見極める必要があります。

おわりに

製造業と深く関わりのある工作機械業界は、世界経済や製造業の業績に売上高をとても左右されやすい業界です。しかし、近年は工場の自動化が注目され、IoTソリューションを目的としたロボット生産や自動車のEV化などが業績を伸ばしている要因となっています。今後も日本の優れた加工技術やIoT活用を武器にグローバル展開が期待され、工作機械業界の先行きは明るいと予想されています。就職を希望している就活生は、企業研究と共に今後の動向に目を向けていきましょう。

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