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【業界研究】新聞業界の現状と動向!就活に役立つ企業情報と仕事内容

企業研究・業界研究
新聞業界の現状と動向!就活に役立つ企業情報と仕事内容

記者や校閲といった魅力的な職種がある新聞業界ですが、インターネットの普及と共に急激に発行部数が減少している業界です。新聞業界に就職を希望している人にとって、今後の動向は非常に気になるところですよね。そこで今回は、新聞業界の現状から最新動向や仕事内容など詳しく解説します。

新聞業界の動向とは?

新聞業界の動向とは?

2000年頃まではニュースや経済情報などの「情報」を得る手段のひとつとして代表的な媒体であった新聞。近年、インターネットの普及で時事ニュースやあらゆる情報が無料で見られるようになり、2008年には1世帯当たりの発行部数が1部を切りました。核家族化により世帯数は増えているものの、新聞の需要は年々下降、販売収入は減少していく一方です。また、ネット広告が主流となった現在では、新聞広告の掲載も減り広告収入も減少しています。このようなことから、新聞業界、とくに全国紙においては厳しい状況が続いています。

新聞販売収入が減り続けている現状を見ると、各新聞社の経営は苦境となっています。それに伴い、経費削減のため人員削減や販売店の縮小などを行っているのが現状です。また、テレビ番組表を見るために新聞を読む習慣がある人も多かったのですが、昨今はテレビに番組表の表示機能があるため、そういったニーズもなくなりつつあります。

新聞の需要が激減している現状を打開するために、パソコンやスマホで新聞が読める電子版が設けられました。新聞業界は生き残りをかけて、紙面とネットの2つの媒体を使い分ける方向に動いています。

今後の課題

電子版は有料である新聞社がほとんどですが、無料で見られるネットニュースがあることから、わざわざお金を支払ってまで読みたいというニーズがあるのか懸念されています。WEBサイトの有料会員を獲得するにあたって、独自性のある記事やメリットを感じさせる取り組みが必要です。このようなことから、デジタル版によって利益を得るための課題は山積みと言えるでしょう。

成長戦略

インターネットが主流となった現在、新聞紙の発行部数で業績を盛り返すのは至難の業ですが、日本経済新聞社は、2018年11月にARアプリをリリースし、新聞の新たな可能性に取り組んでいます。ポケモンGoなどにも使われるAR(拡張現実)技術によって、新聞記事の詳しい解説動画を視聴するサービスのほか、新聞広告においても商品サイトへの遷移や商品の紹介画像・動画を流すという仕組みです。

WEBサイトにおいては、コンテンツを魅力的にして有料会員を増やす努力だけでなく、広告による収益性の向上も重要な課題です。Web上での広告収益を向上させるためには、個々の読者ニーズに合った広告を表示するアウトブレインのレコメンドウィジェットの利用などが必要かもしれません。

新聞業界の主な企業

新聞業界の主な企業

朝日新聞社

1879年に創刊し、2019年には140周年を迎える朝日新聞。国内だけでなく海外にも拠点を持ち、グローバルに事業展開しています。2018年4月の社員数は約4,500人、うち約3,600人は男性ですが、女性管理職が1割を占め、2017年度の育児休業取得者の復帰率は100%となっているなど、女性の活躍も期待できる企業です。2018年3月期の決算報告では売上高約3,895億円と近年右肩下がりの傾向にあるものの、営業利益は79億円と前年度より8億円以上回復しています。朝日新聞社は年収も公開されており、2018年3月現在の平均年収は1,200万円(平均年齢44.7歳)となっています。

毎日新聞社

1872年に創刊した毎日新聞。最も権威のある新聞社が選ばれる「新聞協会賞」をはじめ、日本記者クラブ賞や菊池寛賞など多くの受賞歴があります。粘り強い取材活動の末、信頼できる記事が出来上がり顧客満足度を上げています。

毎日新聞グループホールディング2018年3月期の売上高は2,013億円と前年比約4%減。2018年1~6月の全国平均販売部数も朝刊で約282万部と厳しい状況です。

読売新聞グループ

読売新聞は、創刊してから140年以上の歴史ある新聞社です。国内取材拠点が300ヶ所、海外取材拠点が27ヶ所あります。読売新聞グループ会社・団体には、読売巨人軍をはじめ中央公論新社・報知新聞社など多くのグループ会社が存在しています。

2001年には1,000万部以上だった発行部数も、2017年11月時点では約877万部と減少、2017年3月期のグループ本社を含む基幹6社の売上高は3,832億円となっています。

2019年1月より25年ぶりに購読料を値上げするものの、新聞購読者は2月より開設される新デジタルサービス「読売新聞オンライン」を追加料金なしで見られるなどの特典を提供。紙媒体とデジタルとの読者を取り込む考えです。

日本経済新聞社

日本経済新聞社は、国内外の経済について信頼される日本経済新聞をはじめ、日経の専門紙の発行や外国語メディアも手掛けています。アジア・アメリカ・ヨーロッパなど37の海外取材拠点を設けグローバル展開にも力を入れており、海外メディアと連携し世界の経済状況を取材し記事にしています。

2017年12月期の売上高は約3,582億円と前年より0.2%落ち込んだものの、営業利益は約105億円と前年比6.2%の回復を見せました。

2018年11月には、人工知能で記事を抽出する取引先調査支援サービス「日経リスク&コンプライアンス」を開始したほか、AR技術を利用したアプリ「日経AR」 もリリース。IoTによって新聞の新たな可能性を展開します。

産経新聞社

産経新聞の創刊は、1933年。産経新聞社が取り扱っている媒体の種類は「産経新聞」をはじめ「サンケイスポーツ」「夕刊フジ」などのスポーツ紙、競馬専門紙「競馬エイト」に競馬専門誌「週刊Gallop」、オピニオン誌「正論」、フリーペーパー「東京シーサイドストーリー」などです。

2018年3月期の売上高は約1,191億円、営業利益は6.5億円と厳しい環境です。しかし、月間ユニークユーザー数3,600万の総合ニュースサイト「産経ニュース」で、2018年末より月額500円の有料会員サービス提供を開始、読み応えのある専門記事を充実させ読者獲得を目指します。

新聞業界で働く人の仕事内容

記者

新聞業界に就職を希望している就活生に人気の職種です。実際に、各新聞社の全社員の半数が記者やジャーナリストとして活動しています。仕事内容は、事件や報道などが起きた現場にいき真相を取材することです。

校正・校閲

記事に誤字や脱字がないかをチェックする校正と、内容の信憑性確認や事実確認、文や表現が適切かなどをチェックする校閲があります。記事の最終チェックをおこなう部署であることから、慎重に作業できる人が求められます。

技術

主な仕事内容は、新聞記事が印字される過程から仕上がるまでの機器設備や保守管理となります。

営業

新聞に掲載する広告主を探し営業することが主な仕事内容です。新聞社にとって広告収入は大きな収入源のため、やりがいのある職種です。

販売

主な仕事内容は、新聞購読者を獲得することです。また、販売政策の企画や立案も仕事に含まれます。

先輩の声

特に編集の職種は非常に人気があり、高い倍率となっています。新聞社の採用試験では、面接が行われる前に筆記試験があり、最低限の知識と文章力がないと、面接さえも受けられないところもあります。新聞業界を受ける場合は、事前の念入りな準備が必要になるでしょう。

おわりに

インターネットの普及で新聞離れが加速し、年々購読者数が減ってきている新聞業界。業績が悪化の一途をたどる中、電子版記事を充実させたり、IoTと連動したサービスを開始したりといった取り組みが行われています。新聞業界に就職を希望している就活生は、激動の新聞業界の動向に注目し業界を詳しく知っておきましょう。

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